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龍生の写メ日記

  • 君の自由に触れるとき
    龍生
    君の自由に触れるとき

    指先より深く、<br />

    言葉よりやわらかく。<br />

    触れたのは、彼女の心の奥、<br />

    そして&mdash;&mdash;<br />

    その奥にひそんだ、渇き。



    感性のままに生きてきた彼女は、<br />

    自由の香りをまとっていた。<br />

    自分の心に素直であること。<br />

    それは時に、<br />

    誰にも見せない傷を生む。



    けれどその痛みさえも、<br />

    咲き誇る花々のように、<br />

    濡れて艶やかに咲いていた。



    名誉でもない、<br />

    お金でもない、<br />

    彼女が欲していたのは&mdash;&mdash;<br />

    &ldquo;そのままの自分&rdquo;を<br />

    包みこむ、ぬくもり。



    僕は、ただそっと近づく。<br />

    まなざしで、息づかいで、<br />

    肌の温度で語りながら。



    奇跡のように、君がここにいる。<br />

    それだけで、理性がほどけていく。<br />

    濡れた吐息が、鼓動と混ざり合い、<br />

    ふたりの境界がゆるやかに溶けていく。



    ほどけた心は、もう過去を見ていない。<br />

    今この瞬間、<br />

    すべてを委ねて呼吸している。<br />

    過去と未来の、その先にある&mdash;&mdash;<br />

    確かな&ldquo;いま&rdquo;。



    甘く絡んだ髪、<br />

    熱を帯びた背中、<br />

    押しつけた唇の先で、<br />

    君の星座がかすかに揺れた。



    自由であることと、<br />

    誰かに満たされることは<br />

    きっと矛盾しない。



    僕は、縛らない手で抱きしめる。<br />

    導くように優しく、<br />

    甘く、少しだけ意地悪に。



    その風は、<br />

    君の深く、やわらかな場所に、<br />

    静かに溶けていった。