昔の僕は、自由なんて選べる立場じゃなかった。<br />
ある日、突然の命令で遠くの地へ。見知らぬ土地、孤独な夜。<br />
ただひとつ、心に誓ったのは——<br />
**「いつか、自分で人生を選べる男になる」ってこと。**
妙に綺麗な夢を抱きながら、泥臭い努力を積み重ねた。<br />
格好悪くてもいい。苦しくても、もがいても、<br />
“誰かのために”じゃなく、“自分の人生”を取り戻すために。
やっと帰れる日。最後に出会ったのは、道に迷っていた外国人だった。<br />
少しだけ手を差し伸べて、彼が見せてくれた笑顔。<br />
たったそれだけのことなのに、胸の奥の“寂しさ”がすっと溶けた。
**「君はきっとうまくいくだろう」**<br />
気づけば、そんな言葉がこぼれていた。<br />
無責任かもしれない。でも、その言葉は、自分にも言っていたのかもしれない。
優しさって、相手のためだけじゃない。<br />
誰かに向けるたび、こっちの心も少しずつほぐれていく。<br />
寂しさは、分け合えば軽くなる。 <br />
そして——**ぬくもりは、触れ合うほどに増えていく。**
今の僕は、<br />
疲れた心も、乾いた身体も、<br />
ぜんぶまるごと包み込んで、そっとほどいてあげたいと思ってる。
強がってるけど、奥の奥に甘えたい気持ちを隠してる人。<br />
笑ってるけど、ふとした瞬間に涙がこぼれそうな人。<br />
そんな君に触れたい。<br />
**優しくキスを落として、ゆっくり溶かしていく。**
心がほぐれたら、身体も緩んでいく。<br />
指先で肌をなぞりながら、「ここにいていいよ」って伝えるように。<br />
声にならない気持ちまで、ぜんぶ受け取るように。
**もし、誰にも言えない“寂しさ”を抱えているなら——僕に分けて。**<br />
その代わり、君が忘れかけてた“悦び”を、思い出させるから。
龍生の写メ日記
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さよならの地で、ひとつになった温度龍生