何かを失ったとき、<br />
世界は少しだけモノクロになる。
笑顔をつくっても、心だけ置いてけぼりのまま。<br />
気づけば、深く息をすることすら忘れていた。
「ちゃんとしなきゃ」<br />
「期待に応えなきゃ」<br />
そうやって何かを守るたびに、<br />
少しずつ、君は君から離れていったのかもしれない。
でもね、君が忘れてしまったその色、<br />
ちゃんと、心の奥に残ってるんだよ。
誰かに見せるためじゃない、<br />
君だけの“色”。
僕も昔、それを見失ったことがある。<br />
夢に破れて、愛に裏切られて、<br />
自分すら信じられなくなった夜。
でも、そんな夜の中で浮かび上がってきたのは、<br />
他の誰でもない、“僕自身”の声だった。
「大丈夫、君ならまた歩けるよ」<br />
そう言ってくれる誰かが欲しかった。
今の僕は、そんな存在でありたいと思ってる。
何も強がらなくていい。<br />
全部抱え込まなくていい。<br />
甘えていいし、泣いていい。
君が君に戻れるように、<br />
僕がそっと寄り添うから。
優しく抱きしめて、<br />
その呼吸に合わせて、君の心がほどけていくまで。
ふと力を抜いた瞬間にこぼれる、<br />
本音も、ため息も、全部まるごと受け止めたい。
なんでだろうね。
**僕には、どうしてわかるんだろう。**
君が隠した涙も、言葉にしなかった寂しさも、<br />
まるで自分のことみたいに、胸に響いてくる。
たぶん僕も、似たような孤独を抱えていたから。<br />
愛されたくて、でも甘え方がわからなくて、<br />
強がって、空っぽになって、それでも前を向こうとしていたから。
だからこそ今、僕は君に伝えたい。<br />
「もう大丈夫」って、何度でも。
そして最後には、僕が少しだけリードする。<br />
君が安心して身を委ねられるように。
何も演じなくていい、飾らなくていい。<br />
ただ“素の君”でいてくれたら、それで十分。
だって僕は、君の中にまだちゃんと残ってる、<br />
その色の美しさを知っているから。
龍生の写メ日記
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モノクロの夜に、君の色が咲いた龍生