<お正月特別企画・家族の前でも読める性のお話第三弾>
最終日の今日は、性的同意について書こうと思います。
そもそも性的同意とは、言えば性的な行為(キス・セックス)に対し、双方が同意している状態と言えます。
性的同意が無いまま性的行為が行われた場合、それは性的暴力となってしまいます。しかし、最近では、同意なく性的な行為をされてしまったにも関わらず、無罪となってしまう判決が相次ぎました。性的な同意をしていないのに、なぜこのような判決になってしまったのでしょうか。
司法判断では、過去の事実について同意していたかしていないかを証言だけで確認することは難しいことが事実です。理想的には、明確に「セックスしても良いよ」という同意を得ている必要があります。しかし、性的同意において暗黙の了解が完全に無いとは言えません。そのため、司法判断では暴行や脅迫が無く、かつ、被害者に意識があった場合には性的な暴行が行われたとは判断されないのです。
これには当然問題が生じます。例えば、突然見知らぬ誰かに襲われ、恐怖のあまり身動きがとれなかったとします。このとき、もし、加害者が暴行や脅迫を行っておらず、被害者に意識があった場合は、被害を立証できず無罪となる可能性があります。これは重大な問題であり、被害者にとって不利な状況となっています。
では、性的同意が無い場合を性犯罪の根拠にしている国ではどう判断されているのでしょうか。実際に、イギリスでは性的同意の有無が要件になっています。しかしながら、「同意が無いときはどのような場合か」を明確に定義することが出来ていません。そのため、性的同意の有無を犯罪の成立条件としている国でさえも、この問題が明確に解決しているとは言えないのです。
だからといって私たちに出来ることが無いわけではありません。このような悲しい事件を起こさないためにも、「性的同意とは何か」という予防教育をしていくことで防ぐことができます。今後、こうした性の基本的かつ重要な部分について、適切な教育が行われていく必要がありますね。