性蔑5(2021年06月06日)高島 春樹(Un moment pour toi Tokyo)|写メ日記

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高島 春樹@写メ日記

高島 春樹

高島 春樹  (29)

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  • エール
    高島 春樹

    大好きな貴女へ。





    そしていつも頑張っている貴女へ。







    きっと毎日忙しくて、



    何かを目標に頑張ってると思う。



    仕事の目標とかじゃなく、





    次の休みでやっと・・・





    みたいな。







    そんな予定が、デリカシーのない一言で

    ドタキャンされたり、







    なぜか人のものまで準備させられたり、





    うまく使われてるんじゃないかって気持ちになったり、







    心が擦り減ってしまうよね。





    そんな時、側にいてあげられなくてごめん。







    もし僕がそばにいたら、



    何も言わずにギュッて抱きしめる。





    そっとキスをする。





    何にも考えられないくらい愛する。





    それが僕にできることだと思うんだ。





    全部吐き出しちゃって、

    いいんだからね。





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  • エルボー2
    高島 春樹

    電車で僕にエルボーを喰らわせたことがきっかけで

    仲良くなった男の子。





    そのなんとまだ3歳なんですって。

    どんだけ元気が有り余ってるんだろうw





    そんな彼がお母さんの自慢をしてくるのです。





    僕のお母さんすごいんだよ!





    そうなんやー。どんなところがすごいの?





    あのね、僕がねベビーカーに乗るとね、

    そのベビーカーを動かせるんだよ!?





    へーー!すごいね!





    すごいでしょー!





    お母さんは魔法が使えるの。

    だから、お母さんはすごいんだよ。





    お母さんめっちゃすごいやんかー!





    でも君の心はもっとすごく綺麗ーー!!!!







    結局、ベビーカーみたいなのに乗った時に、

    お母さんが、ハンドパワーで動かすよー的なことをして

    実際に動くから、本人としては

    ベビーカーが自動で動いてるんだと思うわけですね。



    こんだけ動き回れたら乗る必要ないやろって思うんですけど、

    まだ名残があるみたい。





    可愛らしいなぁ。





    そんな純な心を取り戻したいなぁ。

    人を疑うことを教えられて生きていくけど、

    人を信じるって、何より大切だと思うなぁ。



    がんばろっと。



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  • エルボー
    高島 春樹

    通勤は危険と隣り合わせ。
     
     
    今日も電車の中を小さな男の子が走り回っておりまして、
     
     
    とっても楽しそうでして。
     
     
    とある駅で僕の隣がガラッと空きまして。
     
     
    親と一緒に座ったんだけど、
    やっぱり椅子の上に立ち上がって窓の外を眺めていて、
     
    電車が急に停止信号で止まると同時に、
     
    僕のほうに倒れてきた瞬間、
     
     
    彼は腕に力が入り、
    脇が空いた。
     
    その結果、肘が僕のこめかみに直撃した。
     
    お母さんにとっても怒られてましたw
     
    まぁ、格闘技のインストラクターでしたから、
    大丈夫なんですけどねw
     
    小さい男の子に怪我がなくて良かった。
     
     
    その後は、彼と機関車トーマスについて熱く語りながら、
    駅までの時間を楽しみましたw
     
    僕の推しはパーシーとダックですw
     
    緑めっちゃ好きやんw
     
     




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  • 性蔑16
    高島 春樹


    夏休みが来た。
     
    英会話スクールの夏休みは、2週間丸々休みをもらえる。
     
    新卒一年目でこうした待遇が受けられるのもメリットだろう。
    彼女は、その2週間を名古屋で過ごした。
     
    初日は同期と海水浴に行った。
    僕と彼女、もう一組同期同士でカップルがいた。
    そして、付き合ってはいないが仲の良い男女。
    計6人でレンタカーに乗って、海に向かった。
     
    暑い日差しが僕らを虐めるので高架線の下で待っていると、
    僕ら以外を乗せたハイエースがやってきた。
    ドアを開ける前から、Back numberの「高嶺の花子さん」が聞こえてくる。
     
    隣の彼女を見て、高嶺の花だと口には出さなかったが、ふわふわした気持ちになった。
     
    J-popや、洋楽のヒットチャートを聴き、みんなで歌った。
     
    恥じらいなどというものは誰も持ち合わせておらず、
     
    窓の外、隣の耳の穴、自分の声を飛ばした。
     
    楽しい時間ほど、僕らの未来を早く喰い潰していく。
     
    気がつくと海に着いていた。
     
    間延びする時間などなく、ただただ笑っていたら海だったのだ。
     
    久しぶりに、澄んだ空の色が映ったような水面を見た。
    誰からも連絡がないこの季節が、永遠に続けばいいのにと
    心から思った。


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  • 不安と生きていく
    高島 春樹




    最近うちの塾では模試がありました。



    うちの塾は、勉強が嫌いで、苦手で、って子がくる塾。



    まぁ100点満点なんて程遠い。

    生徒のみんなは結果に一喜一憂。

    思ったより取れなかった。

    こんなんじゃまずい。



    みんな決まってそう言います。



    でも、

    この時期の模試は、偏差値とか、判定とか全く気にしなくていい。



    もちろんこの時期でA判定が取れるなら、

    それに越したことはない。



    でも、必要なのは2月の受験で

    合格に必要な点数を取ること。



    100点満点ではないんです。



    2月に解く問題を今やっているのだから、

    できなくて当然。

    何にも気にしなくていいんですw

    では、何を見るのか。



    今勉強してることが解けてるかを見るんです。

    それが解けてれば、それを続けていけばいい。

    解けてないなら、勉強の仕方を間違えてる。

    だから、そもそも普段の勉強を見直す必要がある。





    そんなみんなに伝えていること。



    それは、



    過程が結果を作っている。



    どんな結果も、自分がこれまでやってきたことが数字で出てくる。



    正しい努力だったかを見極めればいいんです。



    そして、そこまでにした努力は絶対に奪われない。

    成長しかないんです。





    人はそうやって、不安と生きていくことで

    成長していく。

    同じ不安も、

    自分が取りにいくだけでワクワクになり

    ジャンプ台になる。



    避けながらぶつかるだけで、アワアワして、

    壁になる。



    事実は一つ、でも解釈は無限に変えられる。



    できることを増やすと言うことは、

    素晴らしい!



    そんなお手伝いを、昼も夜も。



    続けていこう。







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  • 性蔑15
    高島 春樹

    名古屋の中心街を流れる堀川。



    常に仄暗い緑と藍色を混濁した色をしており、



    穏やかな流れが海に向かって進んでいる。



    その脇にある椅子に座り、



    僕は彼女の顔をまじまじと見た。



    彼女もまた、厳しい上司に罵倒されながら仕事をしていた。





    仕事辞めたくならない?





    辞めたい。





    でも辞めないの?





    やりたいことないからなぁ。





    そっかぁ。やりたいことかぁ。





    私は、やりたいこともないから、しばらく働くんだろうなぁ。

    やりたいことあれば全然辞めてもいいと思うけど。





    僕は、彼女が辞めると言ったら、自分も一緒に辞めようと思っていた。

    彼女を自分が逃げ道に進むための通行手形として使おうとしていた。





    ささくれを毟った痛みが、心の深淵から広がった。

    一瞬肩に力が入る、それでいてひりひりと意識に残る痛みは。



    その傷口を、見なければ良いのに僕はつい見てしまう。





    5歳の秋、僕は近所の公民館に祖母と散歩に出た。

    祖母は、銀杏が落ちているねと言い落ち葉に近づいた。

    その時、強烈な臭いが鼻を貫いた。

    鼻と喉は繋がっているのだと、直感的に理解した。

    でも、その匂いの方向にまた向かってしまうのだ。

    またその刺激を体が欲している。

    いけないとわかっていても、

    100%ポジティブな結果になることはないとわかっていたとしても、

    人は、そこに向かって歩くのだ。



    そうして一人、また一人と堕ちていくのだと僕は思った。



    彼女の営業力ならば、

    僕が仕事を辞めたいということに気がついただろう。



    しかし彼女は何も言わなかった。

    彼女にそんな余裕がなかったのか。

    辞めるような男なのかどうかを見極められたのか。



    それはわからない。



    ただ、この一瞬しか出会えないと分かる花びらを搾って出した色水で描いた水彩画のような空の下で、

    いつも通り澱んだバクテリアがこの一瞬しかない動きで弾むのを黙って見つめていた。



    大人になるのは、苦しいなぁ。

    僕は思春期だ。





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  • 性蔑14
    高島 春樹

    彼女に仕事はどうかと訪ねた。



    彼女は恐らく全国で一番怖い上司と言われる校舎長がいると言われる学校だった。

    関東で一番大きく、全国2位の売り上げを誇る校舎だ。

    そこで行われているのは恐怖政治だった。



    仕事ができれば安堵し、

    できなければ罵詈雑言を浴びせられる。



    きっと、スポーツの強豪校にいる生徒はこんな感覚なのだろうと思う。



    誰かに怒られないように働き、

    誰かが決めた目標に向かって、終わりの無い道を鞭で叩かれながら歩いていく。



    彼女は僕といるときが素の自分でいられる時間なんだと教えてくれた。



    そんな場所になれているということが嬉しかった。



    そんな彼女が僕を置いて成長していくのが分かり、背筋が凍りついた。

    僕が男を捨てたら、彼女はどうなってしまうんだろうと思った。

    この関係は、終わりを迎えるのだろうか。



    目の前が、歪んだ。





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  • On your Mark.
    高島 春樹

    性欲、食欲、睡眠欲。





    これを僕は溜めて溜めて、溜めます。





    睡眠はガバガバ寝るしw



    食欲も、好きな時に割と好きなものを食べてます。



    でも性欲は溜める派です。



    制欲貯金と呼んでおりますw





    え、でも、これだけは伝えておきたい。

    なんかね、セラピストがS〇Xを強要するとか。

    なんか最後までしちゃう流れを作るとか。



    そういうの、最低だと思う。



    あわよくばってのが一番嫌い。



    セラピストとしてのプライドでもあり、矜持だと思う。





    それを踏まえた上で、性欲を溜めたいのです。



    なんか、溢れ出るフェロモンとか。

    危機感とか。

    そういうのを信じてます。



    たくさん興奮して欲しいから、

    僕も興奮しやすい状態を作っておく。



    たくさん感じて欲しいから、

    僕も感じやすい、Hな気持ちを持ちたい。





    一緒に、同じ気持ちを共有したいから。





    だから今日も走るのです。

    位置について、



    よーい



    どん!



    で今日もがんばります!



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  • 歩けども歩けども
    高島 春樹

    こんにちは!



    春樹です!





    暑い日が続いていますね。





    僕も

    家から駅まで、

    駅から職場まで、

    歩いても、歩いても、



    辿り着けませんw





    逆に夜は寒いですよね。







    熱帯地域みたいな気候になってきてるなって感じてます。

    服の選択が難しいのと、

    こういう寒暖差が激しい時って、

    体調を崩しやすかったりします。



    婦人病は、血の道の病と言って、

    寒暖差による血行不良や、

    胃が弱くなったことによる栄養不良によって、

    起きてくるものが多いと言われてます。



    だから、こんな時こそあったかくして、

    いっぱい美味しいもの食べて、

    いっぱいエロエロして、



    楽しい暮らしを作っていきましょ✨



    僕もたっぷり妄想しまくっておりますw





    頭の上の吹き出しが、全部えっちなこと

    高島春樹29歳。







    きっと50代になってもこのままですw



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  • 性蔑13
    高島 春樹

    付き合っていた同期の彼女は、
    月に2回ほど横浜から名古屋まで
    来てくれていた。
     
    彼女は実家住まいだったこともあり、
    一般企業の新卒にとっては安くない交通費を使って、会う時間を作ってくれた。
     
    彼女といた時間は本当に輝いていた。
    懐かしいCMの替え歌で笑いあった。
     
    1K4畳の狭いキッチンに並び、
    ナンを作る為の粉をお互いの鼻につけてくすぐった。
    朝までカラオケで歌った。
    二人で早朝の公園を歩いた。
    そして、寝る前はお互いの体を求めあった。
     
    会う度に必ずベッドの中で素肌を交えた。
     
    男であることを許してもらえた気がした。
    その瞬間は、男として生まれてよかったと思えた。
     
    単なる友達ではなく、彼氏としていられたこと。
    好きという感情を持ち寄れたこと。
     
    人は大切にされるということが、どんな鍛練よりも心を磨いてくれることを知った。
     



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  • 性蔑11
    高島 春樹

    先生との会食の次の日、


     
    僕は竹岡さんに呼び出された。
     
    「あんたさ、いるだけで迷惑なんだけど。仕事を頼んでもできない、言わなければなにもできない。あなたに払ってる給料がもったいないわ。豊田校の長谷部ちゃんはすごい頑張ってるのに。私もあぁいう可愛い子に来てほしかったわ。本当に残念だわ。私のストレスの根元。」
     
     
    一気に捲し立てられ、何も言えなかった。
    本当に怖いとき、人は泣けないのだ。
    誰にも相談できない。
    誰にも言えない。
    自分の中のプライドを捨てることができればそれも違ったのだろう。
    捨てるものを間違えていることに僕は気づいていなかった。
    まだ僕は頑張れていないのだ。
    もっと頑張らなければならない。
    その為には結果を出さなければならない。
     
    やはり、竹岡さんは女の子がよかったんだ。
    僕がゴミ箱に投げたのはプライドではなく、性だった。
    男としての自分を捨てることができれば、もっと成果を上げられるはずだった。
     
     
    その日の夜、僕は鏡の前でハサミを手に取った。
     







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  • 性蔑10
    高島 春樹

    書き始めていよいよ10投稿目!


     
    すごい反響を頂けて、驚いています。
    稚拙な文でお恥ずかしい限りですが、
    僕のことを少しでも知って頂けたらそれだけで嬉しいです。
    正直文章を書くのはなかなか大変で、
    数時間悩んで筆が止まることもざらにあります。
    それでも、メッセージを頂けることでまた元気が出て、パソコンと向き合うことができます。
    本当にあなたの声が力になってるよ。
    泣いちゃうのは僕の方。
    本当にありがとう。
    対等でいたいんだ。
    まずは僕が自分をさらけ出して、そこからあなたに向き合いたいんだ。
    その感謝をここでは伝えさせてください。
     



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  • 性蔑9
    高島 春樹

    ある休日。
    僕は大学時代の恩師の家にいた。
    奥様がご飯を振る舞ってくれ、
    大学時代の勇み足や、海外での体験などを話し、
    懐かしみ、盛り上がった。
     
    そんな時、僕のズボンのポケットが震えた。
    全身の毛穴が開き、汗が噴き出た。
     
    休日は僕にとって出勤日よりも恐ろしい日だ。
    必ず職場から電話がかかってくる。
     
     
    僕が担当している人の支払い方法が知りたい。
    お客様の支払いは遅れていないか。
    取引先へのメールは送ったのか。
    ティッシュの月間配布状況はどうなのか。
     
     
    僕が答えられない、
    もしくは完了していない仕事についての確認作業が始まる。
    汗が止まらない。
     
     
    そして、糾弾される。
     
    この電話に出ないと、
    翌日もっと怖い1時間が待っている。
     
    この日も、受話器の向こうから30分絞りあげられた。
     
    振り返ると、先生と奥様が心配そうに僕を見つめていた。
     


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  • 性蔑8
    高島 春樹

    言われた通り、体毛を整えた僕をみた竹岡さんは、



    なぜか爆笑していた。



    本当に切ってきたんだぁー。と言って、

    僕をスマホのカメラで撮り始めた。



    「あんた無駄に背が高いんだから、取りやすいように

    膝つけなさいよ。」



    と、跪くように指示された。



    僕は床に膝をついた。

    あまりに笑いながら言われたので、

    冗談かなと思ったが、

    僕は、遠慮なしに続くシャッター音に動けなくなった。



    その画面を僕に見せた。



    「この画像あげるから、

    毎月この写真を美容師に見せて、

    この顔にしてもらいなさい。」



    「わかりました。」



    「それやらなかったら、気持ち悪いからね。

    いい?気持ち悪いから言ってあげてるんだからね?」



    「はい。いつもすみません。ありがとうございます。」





    その日、僕が休憩から帰ると、

    僕のPCの背景は、僕の顔になっていた。

    ゾッとした。

    その顔が、男にしか見えなかったからだ。



    男になってはいけないと思っていたのに、

    より男らしくなってしまった。



    でも、毎回この髪型にしなければならない。



    僕は人を笑顔にできたのだろうか。

    それとも嘲笑だったのだろうか。

    それを見抜く術を僕は身に付けていなかった。



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  • 性蔑7
    高島 春樹




    すね毛を削ぎ落としたことで、ズボンの通りが悪くなった。



    僕はこれまで毎日穿いてきた衣服に違和感を感じるようになっていた。

    例えばスカートを履くとどうなるのだろう。

    陸上長距離に取り組んできた脚の細さには自信があった。



    正義の敵が別の正義であるように、

    違和感に対する保守的理性もまた別の違和感なのだ。

    ズボンを穿くということへの違和感。

    スカートを穿くということへの違和感。



    何をしても二種類の違和感が、

    僕の心を板挟みにしていた。



    僕は普段より2時間早く起きて、

    美容室へ向かった。



    若くて鼻の高い青年が話しかけてきた。

    ヘアカットと、竹岡さんに忌み嫌われた眉を整えてもらった。



    僕の修復作業は1時間ほどで終わった。



    かっこいいですね。爽やかになりましたよ。



    とスタイリストの青年が教えてくれた。





    僕は、激しい嫌悪感に襲われて、

    うまく笑えなかった。









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    スケジュールはHPをご覧ください✨







    •  

       


  • 性蔑6
    高島 春樹

    「太い眉毛が気持ち悪い。明日切ってきて。」



    竹岡さんから出された次の課題は、眉毛だった。





    匂いだけではダメなんだ。

    根本的に変えなければいけない。



    僕の職場の最寄りは金山という駅だった。

    住んでいたのは、金山駅から地下鉄名城線に乗り5分ほどの駅だった。



    電車内は居心地が良かった。

    今日も耐え抜いた、今から12時間は何も考えなくていい。

    窓の向こうの暗闇で目を休め、

    ダニエルパウターの 「Bad day」をイヤホンで聴きながら帰るのが

    日課になっていた。



    イヤホンの隙間から、悲鳴が聞こえた。



    座席を隔てて斜向こうのドアの前で、男性が吐いていた。

    程なく鼻を突く臭いがこちらにも届き、車両中に充満した。



    男性のすぐ近くに座っていた女性は、

    小走りでこちら側にきた。



    席を譲り、ハンカチを手渡した。

    女性は驚きからか気分を悪くしていたようだった。



    男性の方はお酒に溺れたのだろう。

    ふらふらになり、ドアにもたれかかっていた。



    今までの僕なら、すぐ隣の車両に移っていた。

    なぜかその日は、その光景から目を離すことができなかった。

    安堵感だった。

    自分でも理解するまでに時間がかかった。

    あぁ、そうか。

    吐瀉物なんだ。

    僕と君は同じなんだね。

    忌み嫌われ、悪臭を放ち、

    直視することも憚られる存在。

    自分の立ち位置を悟り、現実に引き戻された時には、

    僕は降りる駅を通り過ぎていた。





    その日の夜、お風呂場で僕は全身の体毛を剃った。





    僕は周りからすれば汚物なんだ。



    綺麗になりたい。

    心からそう思った。





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  • 性蔑5
    高島 春樹

    23時30分は同期グループのラインが一番稼働する時間だ。





    全国の同期が22時に仕事を終え、家路に着く。



    ビールを開け、晩酌しながら傷を舐め合うのだ。

    しかし、入社して2ヶ月が経過した今は、愚痴だけではなくなっていた。



    「初めて入会させたよ!すげー嬉しかった!」



    「マジで!?おめでとう!先週俺も決めたよ!」



    「私も!」



    自分以外の全員が結果を出していた。

    その中の一人に彼女もいた。

    彼女は学年が一つ上で、同期の中でも優秀だった。



    関東に暮らしており、エリアで一番大きい校舎へ配属されていた。

    頭もよく、計算能力に優れていた。

    初めて彼女と会ったのは、本社での入社前研修だった。

    1ヶ月間大阪本社の近くにマンスリーマンションを借り、

    そこで生活しながら研修を受けた。



    隣の席になることが多く、くだらない話でも笑ってくれる彼女に

    僕は惹かれていった。

    研修後に少しずつ会うようになり、

    気がつくと僕らは付き合っていた。



    初めて肌を重ねたとき、

    彼女は経験が豊富で、色々なことを教えてくれた。

    ベッドの上や、時にはキッチンで、

    僕たちは優しく愛し合った。

    研修が終わり、配属先に着くということは、

    遠距離恋愛の始まりを意味していた。

    辛い生活の中で、考えるのは彼女のことばかりだった。



    そんな彼女は誰よりも成績を出していた。

    すでに3件も入会させていた。



    チャンスがほしい。

    男として、自分の彼女よりも稼ぎたい。

    楽させてやりたい。





    単に自分の心と体を模様替えするだけだ。

    簡単なことさ。



    まずは匂いから変えることにした。

    シャンプーやボディソープは、女性用のものを使い、

    ボディークリームを塗って出勤した。

    スーツやシャツには香り付きの柔軟剤を使い、

    女性らしい匂いを纏った。



    竹岡さんはその日、何も言わなかった。



    今日は怒られなかった。

    やはり僕は男を少しずつ捨てなければならない。





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  • 性蔑4
    高島 春樹

    社員が評価されるのは、営業成績だ。

    カウンセリングに来た新規のお客様をどれだけ入会させられるかで、

    できる社員とダメ社員の選別がされる。



    僕はダメ社員だった。





    日本のお客様というものは、一般的に優しい。



    たとえどれだけ新人が来ようが、

    どれだけ営業が稚拙だろうが、

    出された料理が不味かろうが、

    切られた髪型に不満だろうが、

    直接不満は言わずに帰っていく。



    ストレスの終点は様々で、



    「ちょっと考えます。」と波風を立てないか、

    「大丈夫です。」と誤魔化すのか。

    何も言わずに立ち去った後で口コミサイトやSNSに本音をぶちまけ

    味方を集めるか。





    しかしどれが選ばれたとしても僕には関係がない。

    どの終点になったとしても、

    竹岡さんからの詰問は変わらない。





    なんで決まんないの?



    -すみません。



    すみませんじゃないから。あんたに任せた私が馬鹿だったってこと?



    -申し訳ありません。そんなことは・・・。



    大丈夫。あなたには期待してないから。

    あなたに任せられる仕事はないわ。

    とりあえずティッシュ配ってきて。



    竹岡さんは、何かあると決まって僕をティッシュ配りに行かせた。



    僕は取り返さなければいけないと、

    キャラクターがプリントされたティッシュが詰め込まれた

    ビニール袋を両手に抱えて校舎を出た。



    気がつくと外は暗くなっており、

    仕事帰りのサラリーマンが

    それぞれの居酒屋へと吸い込まれていく。



    ガラスの前に立ち、笑顔を作った。

    頬を持ち上げ、目を細め、歯を出せば、

    ジュースをこぼしてしまった

    テーブルの染みを隠せた気がした。



    纏った笑顔に守られながら、

    帰り路を急ぐ人々の気を引く。



    「お仕事お疲れ様でした!どうぞ使ってください!」



    「兄ちゃん。大変だな〜頑張れよー!」



    ふと、渡ししなに言われた一言が

    どことなく、自分の無力さを見透かされているようで、

    焦燥感が襲ってきた。



    気がつくと30分が過ぎており、

    校舎に戻らなければと走った。



    ドアを開けようとした時、

    中から竹岡さんの声が聞こえてきた。



    「もうマジで無理なんだけどー。隣で仕事してみ?

    イライラしかしないから!本当に男って無理。」



    「竹岡さん。いつくらいに辞めさせるんですか?」



    「早く消えてほしい。でも辞められたら私のボーナスに関わるじゃん。

    もう顔も見たくないからさぁ、毎日ティッシュ配りに行かせてるー。」



    「もうすぐ帰ってくるんじゃないですか?」



    「帰ってこなくていいわー。本当は研修もしてあげなきゃいけないんだけど、

    私やってないわ。やりたくないぁ。」



    そこまで聞いたところで、踵を返し交差点へ戻った。

    鼓動が早まる。熱い。

    僕は雑踏の中に駆け出していた。

    革靴の踵が衝撃を容赦なく膝に叩きつける。

    その鈍痛をも置き去りにしたところを走った。



    もう一度、あのガラスで自分を見た。

    僕はちゃんと笑っているように見えた。

    違っていたのは、

    少しばかり目が充血していたことだけだった。

    ほんの数分前と同じ風景、同じ立ち位置に僕はいた。

    ティッシュは捨ててしまおうかとも思ったが、

    自分の倫理観や、正義までも手離してしまう気がした。

    駅前の雑踏は無慈悲で、明け透けで、優しかった。

    名古屋の夜は僕のことなど気にも留めていない。

    差し出したティッシュが貰われることはもうなかったが、

    靴を踏みつけることもしなかった。



    そんな距離感に安堵している自分の右腕を、僕は抓った。

    指先は血を溜め赤く染まっていく。

    右腕の痛みは、手を離してもしばらく残った。

    まだ降ろしたばかりの革靴には、荒々しい皺ができていた。



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  • 性蔑3 
    高島 春樹

    就職して1週間が経った。



    僕が勤めた英会話スクールは

    全国合わせて45人の新卒が入社した。

    周りの同期も、それぞれの校舎で仕事を始めていた。



    同期のLINEグループは、

    あっという間に愚痴で埋め尽くされた。



    「マジ上司怖すぎるんだけど。一言も口聞かねーし、目も合わさねぇわ。」



    「私が悪いんだけどさ、言い方が厳しすぎて辛いんだよね。

    そんな言い方しなくてもよくない?って。」



    「俺、よかったわぁ。上司優しいし。みんな仲良いよ。

    でも、暇すぎて、実績上がらないから、エリア長が怖すぎる。」



    様々だったが、全員が何かに対して平等に不満を抱えていた。



    僕はそこに愚痴を書き込むことができなかった。

    同期に負けたくない。

    愚痴っていてはいけない。



    そんな使命感を意識的に持っていたわけではなかった。

    しかし何度愚痴を書き込もうと思っても、

    僕の親指はとうとうそれを許さなかった。



    今思えば、それは精一杯の危機感だった。



    もしこの愚痴が他の校舎の校舎長に知れたら、

    エリア長である竹岡さんの耳に入る。



    そうなれば、僕のこの会社での人生は終わりを迎える。



    「男は嫌だってあれほど人事に言ったのに何考えてんのかしら。

    仕事ができないだけならまだしも、仕事ができない男って我慢ならないわ。」



    先輩社員と話す竹岡さんの声を、僕はどう聞けば良いのかわからなかった。

    自分の隣で、自分の評価を口にされている。

    それは僕にではなく、僕に聞こえるように先輩社員に話されているものだ。



    すみませんと謝ったほうがいいのか。

    目の前の作業を続けるべきか。



    作成していたお客様へのメールは、



    -お世話になっております。

    から続くことはなかった。



    そこにいることだけが、僕にできる仕事だった。



    わからないことがあっても、話しかけてはいけない。

    聞かなければ聞かないで、やる気がないと罵られた。



    その度に、なぜ男を入れたのかという愚痴に謝罪をした。



    僕はセックスタイプは男だ。



    男であること。

    女と何が違うのだろう。



    そしてその証明はなんなのだろう。



    単にペニスがついていて

    裸の女性を見れば勃起するということなのか。

    食べかけのおむすびの上に落ちてきた桜の花びらを見て、

    汚いと思うことが男だということなのか。



    僕にとっての不幸は、性と肉体が一致していることだった。



    精神も男であり、肉体も男である人生が当たり前で、

    スカートを履きたいとは思わなかったし、

    ブラジャーをつけたいとは思わなかった。

    体を鍛え、髪型に気を遣い、モテたいと思った。

    バレンタインデーは人並みにソワソワした。

    それなりに性欲も強かった。

    AVを見て興奮し、オナニーをした。

    射精感に溺れ、脳に抜ける快楽の虜になった。

    彼女とのSEXは、相手の体を愛でる尊さに気付かせてくれた。

    女性を愛するということ。

    なんと美しいのだろう。女性を抱く度に心が高鳴るのだ。



    そして、やはり僕は男なのだと絶句するのだ。



    もし僕の性が女性だったなら。

    より女性らしい振る舞いができただろう。

    女性らしい匂いを纏うことができただろう。

    ネイルやコスメ、美容の話にもついていきやすかっただろう。

    少なくとも男性としてではなく、新人として見てもらえただろう。



    どうして、女に生まれなかったのだろう。

    ペニスを入れる側ではなく、受け入れる側になれなかったのだろう。



    僕は男であるが故に人を不快にする存在なんだ。

    男であってはいけない。

    しかし、女にはなれない。



    僕は男ではない何かになろうとしていた。

    姓が一致しているという地獄から抜け出したかった。



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  • 性蔑2
    高島 春樹

    マネージャーは竹岡さんという名前らしい。

    直接教えてもらえたわけではなく、

    周りがそう呼んでいるから竹岡さんなのだろう。



    スタッフ七人体制の学校で、東海地区では2番目に大きい学校だった。

    大手だけあって、内装はモダンな雰囲気を醸し出している。

    デスクは横一列のカウンター式となっており、

    必ずお客様の方を見て仕事をする。

    机を挟んだ向こうは、

    お客様が入ってくるロビーになっていて、

    くつろげるスペースも用意されている。





    僕のデスクは、竹岡さんの隣になった。



    「嫌だけど、知らないうちにミスされるよりマシだから。」

    と、僕に仕事のいろはを教えてくれるという。

    しかし5分ともたなかった。

    「え、てか臭いんだけど。歯磨きした?お風呂入ってるの?」



    キーボードを打つ手が、揺れる。

    この震えは腕から来ているのか、

    指先から来ているのか、

    感覚が遠くなっていく。



    「もう臭いからさ、休憩行っておいで。全身ファブリーズしてきて。」



    言われた通り、会社を出た。



    「休憩頂きます。」の声は

    震えに邪魔されて、

    虚しく響くこともなく、届かなかった。





    英会話スクールのシフトは、

    13時から22時までが一般的だ。





    13時15分の休憩。



    お腹は空いていなかったが、

    22時までのシフトを考えると少しでも食べなければと思った。

    近くのコンビニでおむすびを二つ買い、

    駅前のベンチに座った。





    子供を連れた女性たちが楽しそうにテラス席で談笑し、

    ビジネスマンは分厚い長財布を手に、定食屋に入った。



    僕もランチタイムだと思ってもらえるだろうか。



    ドラッグストアから聞こえる音が妙に耳障りだった。



    暖かい空気が、風に流れて頬をくすぐった。



    桜の花びらが舞って、僕のおにぎりに落ちた。



    「あ、汚い。」

    と手で払おうとしたとき、



    これを "可愛い" と思えなければいけないのだと感じた。

    ふと目の前が滲む。

    僕は僕のセックスを恨んだ。







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