【七五三】
子供の成長を祝って神社でご祈祷をしてもらう。
当時、我が家にもそんな風習がありました。
三歳、五歳、七歳…。
子供の成長は親にとって嬉しいものです。
ボク自身、幼少期の頃の記憶はあまり覚えていないのですが、鮮明に覚えていることがいくつかあります。
その中の一つが七五三。
「七五三ってそんな印象に残る行事❓」って思われるでしょう。
そうです。
良い印象は全く無く、ボクにとっては悲劇そのものでした。
ある日、6歳になるボクは祖父母と両親に連れられ、とある神社に行きました。
いつもお参りしている馴染みのある神社です。
そこではいつも出店がたくさん出ていて、大好きなベビーカステラやおもちゃがいっぱいあったので、ボクはウキウキしながら付いて行きました。
…ところが、現地に着くと、出店が並んでいる方へは行かず、入口からすぐの休憩所みたいな建物に入るではありませんか。
ボクは早くおもちゃを見たかったし、ベビーカステラも食べたかったので、『なんでここにきたん❓』『早く行こうよ〜』と急かしました。
すると祖母と母が、「ケイシ、今日は七五三やからご祈祷してもらうんよ」「だからちょっと待っててな」と言うので、幼いボクは七五三が何なのか全くわかりませんでしたが仕方なく待つ事に。
……………………。
退屈です。
休憩所にはおもちゃも食べ物も何もないし、あるのは無料の熱いお茶が出る機械だけ。
『ねぇ〜、まだ〜〜〜❓』ボクは痺れを切らしてうろちょろうろちょろしてました。
すると係りの人が祖父母の元へ何かを持ってきました。
「ケイシ〜こっちおいで」
祖母に呼ばれたので行くと、そこには青い着物の様なものと、黒く小さい被り物のようなものが…。
何かわからず呆然と眺めていると、祖母と母が、「さぁこれ着るんやで」「お化粧もせなあかんからな」と。
『❓❓❓』
ボクは意味がわからず、何故か嫌な予感がして『何でなん❓』と祖母と母に聞きました。
すると、「今日七五三やからな」「これ着てご祈祷してもらうんやで」「ほらあの子らも着てるやろ?」と、祖母が指差す方を見て愕然としました。
なんと、この着物と黒く小さい被り物に白塗りの顔、紅い口紅、まん丸眉をした平安時代さながらの《麻呂》達が、まるで蹴鞠に興じるかの如くお戯れになっておられるではないですか。
『………っ‼️‼️‼️⁉️』
言葉を失うとはこの事です。
事態を飲み込めずその場で立ち尽くすボク…。
「早よ着替えな始まるで!」
急かす祖母。
「どうしたんケイシ?早よ着替え」
空気の読めない母。
ハッと我に返り、ボクが発した言葉は…。
『…え〜、イヤや…』
自分もあの《麻呂》達と同じようになるのが心底イヤで涙が溢れ出ました。
止まりません。
まるでダムの放水の如く流れ出ます。
もうギャン泣きです。
「そんなこと言わんと〜。すぐ終わるからな」
引かない祖母。
「そうやでケイシ。何がイヤなん?」
相変わらず空気が読めない母。
全部です。
恥ずかしいというのを少し理解してきた頃だったと思います。
着物着るのも顔にお化粧するのも《麻呂》になるのも全部イヤでした。
それでギャン泣き。
けれども、祖母と母は全く引いてくれる様子がありません。
どうしても我が子に七五三のご祈祷をさせてかったのでしょう。
時間が迫り焦り出す祖母と母。
「ほな終わったらベビーカステラ買うちゃるから!」
「口紅がイヤなんか?ほな口紅やめとこか?」
そういう問題ではござらんのです❗️
祖母君、母上❗️
どうしても全部がイヤなのです‼️
と、伝えることも出来ないボクは泣き喚くのみ。
ただ、時間が迫ってきた祖母と母は勢いを増し、「ほな口紅と白塗りはやめとこか」「もうそれで着替えて行ったらええわ」
『……あれ❓眉毛描くん❓』
心の中でそんなことを思いながら半ば無理矢理着替えさせられたボク。
まん丸眉と着物で不完全な《麻呂》の出来上がりです。
そして、いざご祈祷会場へ…。
イヤイヤながら《麻呂》達の宴の場へ赴くと、なんとそこには思いっ切り普通の格好をした大勢の子供達が…。
『………えっ。こんな格好せんで良かったやん………。』
幼心に絶望を抱えた不完全な《麻呂》こと
大阪・京都・神戸萬天堂セラピスト
【ケイシ】です。
さて、京都にも在籍しているので、今回は京都のステキスポットをご案内させて頂きます✨
京都《平安神宮 NAKED ヨルモウデ》
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2人で幻想的な光に包まれる夜参拝デートっていうのも面白いかもですね✨☺️
ps.夜間は冷えるので防寒対策と動き易い服装がベストです✨
ケイシの写メ日記
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平安神宮 NAKED ヨルモウデケイシ