【九死に一生】
ほとんど死を避け難い危険な瀬戸際で、
かろうじて助かること。
とある大きな会社の工場で働いていた時のこと。
そこは、広大な敷地と、頭上を覆い尽くす程の無数の巨大なガス管がいくつも連なる、まさに工業団地と呼ぶに相応しい物々しさでした。
そこで思い知らされたのです。
目に見えない恐怖というものを…。
そう。
『ガス』です。
『ガス』にも様々な種類がありますが、ここでお話するのは、「気体燃料」と呼ばれる燃焼効率を高める為のものです。
「気体燃料」は主に水素、一酸化炭素、メタン、エタン、プロパン等、どれも可燃性や引火性が高く取り扱いには細心の注意が必要です。
しかし、ここで一番怖いのは「無色」「無臭」「一息で死に至らしめる」《一酸化炭素》です。
なので、ボク達は作業着の胸の辺り、顔に近い部分に【ガス検知器】を装着していました。
ガスの濃度を数値で示してくれて、50ppmを超えるとアラートが鳴り、音と振動で危険を知らせてくれる代物です。
※基準は以下の通り
50ppm…その場から退避
100ppm…その場から走って退避
200ppm以上…その場から全速力で退避
これがなかなかの優れもので、誰かが密室で屁をした場合にも、それに反応してアラートしてくれます。
そして配属前に教官から一つ大事なことを教わりました。
『ガス検知器が鳴ったら風上へ走って逃げろ』
この業界では、過去に何度も一酸化炭素による事故が起こっており、そのどれもが悲惨な結末を迎えているので、教官の言葉にも力が入っていました。
そしてある日のこと…。
ボクはいつも通り設備の整備点検に出掛けました。
外は快晴です。
錆と粉塵だらけの工場内とは違い、海風が心地良く吹いていました。
『あ〜こんな日はどっか遊びに行きたいな〜』
そんなことを考えながら点検箇所に向かっている時でした。
《《《ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピッッッ》》》
『っっっ‼️‼️‼️⁉️』
いきなりガス検知器が激しい音と振動で、けたたましく鳴り響きます!!!!
それと同時にガス検知器が見たこともない数値を叩き出しているではありませんか!!!
150…184…237…315…436………ドラゴンボールのスカウターの如くどんどん上がっていきます!!
『ヤバイッッッ‼️‼️‼️‼️‼️⁉️』
一瞬パニックになりましたが、取り敢えず走りました!!!
それはもうとにかくその場から離れることだけを考えてめちゃくちゃ走りました!!!!
風上なんて考えてる余裕はありません!!!
無我夢中で我武者羅に走っていると足元の配管に気付かず思いっ切り転倒しました!!!!!
痛さと走った動悸とパニックで一瞬頭が混乱しましたが『とにかく逃げないと』と立ち上がった時には、既にガス検知器のアラートは消えており、数値も000を示していました………。
その後、上司に報告し、周辺に緊急退避命令が発令されたのは言うまでもありません。
…しばらくして、その周辺で発生したガスは、ガス管から漏れた一酸化炭素を含む混合ガスの可能性が高いと判断され、整備のスペシャリスト達によって無事に処理されました。
まさに【九死に一生】。
大阪・京都・神戸萬天堂セラピスト
【ケイシ】です。
さて、前段が盛り上がり過ぎたので、ここは簡潔にいきたいと思います。
先日、ガチャガチャでこんなものを見つけたので、試しにやってみることに。
【仕事猫キーホルダー】
現場作業好きな人にはたまらない逸品です。多分。
お守り代わりにいかがでしょうか?
安全意識がほんの少しだけ高まります。
ケイシの写メ日記
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『ご安全に』ケイシ