帝-MIKADO- 大宮店

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詩の写メ日記

  • 名前も知らない他人の幸せ
    名前も知らない他人の幸せ

    満員電車。





    手すりをつかむ僕のすぐ目の前、ドア付近にいちゃつくカップルが立っている。



    目が合うたびに口付けをしあう2人を間近で見ていると、親鳥が子供に餌をあげてる映像が浮かんだ。



    そういうキスができるうちは無条件に恋人が愛おしく思えている時で、この2人にはその幸せをいつまでも享受していてほしいなと思った。







    駅を出て、つけ麺屋に入った。





    カウンター席、僕の隣で麺を啜る彼はクチャラーだった。



    口に汁と麺を含めて周りを気にせず音を立てて食べる姿を横目で見て、美味しそうに食べる人だなと思った。彼が明日の夕飯も美味しく食べられると良いなと思った。







    あぁ、



    人の幸せを、願えるようになったんだな僕は







    昔から人の幸せを無条件に喜べたわけじゃない。



    でも、自分の人生で様々な経験をしてきて、幸せを感じられる瞬間って貴重で尊いものだなと思うようになった。



    幸せというのが、ただの1日のうちの一刹那であったとしても、今日を生きていて良かったと思える一要素になったら、それはすごいことだ。





    幸せな状態は当たり前なことじゃないから。





    明日もみんなに、辛いことより幸せと感じられる時間が多く訪れますように。