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みゆうの写メ日記

みゆう

みゆう  (30)

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  • 【抱かれても、抱きしめられない】連続女風小説3/7
    みゆう
    【抱かれても、抱きしめられない】連続女風小説3/7

    第3話:指先に触れる不安





    また、あの人の夢を見た。





    レンに抱きしめられる夢。

    体温も、香りも、声すらも鮮明で

    夢の中の私は、何の迷いもなく笑っていた。





    目が覚めると、涙が頬を伝っていた。

    現実の私は、返信のないスマホを眺めながら、今日もベッドの中で溜息をついている。





    週に一度、来るか来ないかのDM。

    それも「ありがとねー!」の一言にスタンプひとつ。





    でも、会えば甘いから。

    言葉じゃなくて、態度で伝えてくれてるから。





    そんな言い訳を自分に並べて

    私はまた、あの人の優しさに依存していく。





    けれど、それだけではもう心がもたない。

    夢の中よりも、現実の私が笑える場所が欲しい。



    そんなことを考えながら、私はSNSを開いた。





    目に飛び込んできた、ひとつの言葉。





    『本音って、上手に隠したつもりでも、表情の奥に滲むよね。だからこそ、君の言葉の隙間に、そっと触れてみたくなる。』





    リョウ

    その名前を目にするのは初めてだった。

    知らない人。でも、なぜか目が離せなくなった。





    彼のポストを遡ると、派手な自撮りも、売り込みめいた宣伝もない。

    誰かを傷つけない、でも本質にはちゃんと触れる。



    そして、どこか「届いてほしい人にだけ届けばいい」と言わんばかりの言葉たち。





    不思議と胸が温かくなった。

    そして、怖くなった。





    「私、今、浮気しようとしてる…?」



    そう思ったのに、指先は勝手に動いていた。





    『こんばんは。フォローありがとうございました。みゆです。』



    送信。



    心臓がドクンと跳ねた。



    返信は思ったよりすぐに来た。



    『みゆさん、こちらこそ。メッセージ嬉しかったです。

    実は、あなたのポストにずっと惹かれてました。

    明るくて前向きなのに、少しだけ寂しさを抱えてるような•••違ってたらごめんなさい。』





    画面を見つめたまま、しばらく動けなかった。





    「なんで…わかるの…?」





    自分でも気づいていなかった、隠していた部分に

    まるで指先でそっと触れられたような感覚。

    やさしいけど、確かに心に残る言葉だった。



    それから何通か、短いやりとりを交わした。



    リョウは返事が早くて、でも無理をしていない。



    問いかけも自然で、変に踏み込んではこないのに

    ちゃんと「私」に向き合おうとしているのが伝わってくる。





    気づけば、スマホを握る手に力が入っていた。





    レンとはこんなふうに話したこと、あったっけ。

    最初はあったかもしれない。でも今は•••





    「比べちゃいけない。私の中ではレンが一番なんだから」



    そう思っていたのに。

    リョウの何気ないひと言が

    少しずつ私の中にしみ込んできてしまう。



    「レンとは違う」

    その違いを感じたとき

    私の心が、ほんのわずかに揺れた。



    それと同時にもう一人の私が「揺れている自分」を許した気がした。