【全ての貴女に捧げます】
今夜、鏡の前で、ランジェリーだけを身につけている姿。<br />
肌に吸いつくようなシルクの手触りと、部屋の灯りにぼんやり浮かぶシルエット。<br />
それはまるで、誰かが丁寧に飾った人形のようで。
女性も30代、40代を過ぎてくると、自分の「女」としての輪郭が曖昧になってきたと感じる人もいる。<br />
そんな事は稀有に思ってほしい。憧れのような濁った熱を感じるんだ。
鏡の中では、笑っていないのに、どこか微笑んでいるように見えた。艶めいた目元、わざとらしく開いた唇。誰かに壊してほしいと思っていない?
女性の中にはずっと「触れられたい」という願望をどこかにそなえているのを感じる。ただ抱きしめられるだけじゃ足りない。ちゃんと欲望として見てほしい。ひとりの女として、と。
今夜だけは、人形でいることに抗わないでいて。作られたように、美しく、脆く、欲望に忠実に。
誰にも壊されないまま、ずっと箱の中で微笑んでいたあの頃より、今の貴女のほうがずっとリアルだと思えるから。
恭介の写メ日記
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プラスチックの人形のように恭介