恭介の写メ日記

ふとカーテンの隙間から朝の光が差し込んできて<br />

まだ夢の続きのようなまどろみの中で<br />

何故か心が探していた。



理由なんて特にないのに、<br />

季節がめぐっても、歳を重ねても、<br />

忘れられない記憶があるなんて、<br />

思いもしなかった。



ふとした仕草や言葉を思い出して、<br />

ついつい笑顔になってしまうことってあるよね。



心がぽかぽかする朝。<br />

あのとき言えなかった「ありがとう」や<br />

照れくさくて渡せなかった優しさを<br />

今なら少しだけ、素直に伝えられる気がする。



今日はどこでどんなふうに過ごしてるかな。<br />

忙しさに流されてしまいそうな日々の中でも<br />

ふと思い出すだけで、背筋が伸びるような、<br />

そんな存在になれたらいいな。



「会いたいな」と思われる誰かに、<br />

「元気かな」と心に浮かぶ誰かに、<br />

僕もなれたら、ちょっと幸せだなって。



大人になった僕たちは、<br />

たくさんの「今」を抱えながら、<br />

それでも誰かの記憶の中で<br />

そっと灯るように、生きていたい。



そんなふうに思った、六月の朝。<br />

しかし暑いよーーー。