夕日に溶けて、夜明けに消えていく時間。<br />
その狭間に立ち尽くし、ふと空を見上げた。<br />
昼の喧騒が名残を残しつつも、静けさがそっと降りてくる。<br />
ああ、夜の空ってこんなに優しかったっけ。
オレンジから群青へ、そして漆黒へ。<br />
まるで誰かの心のうつろいを見ているようで、<br />
不安も、期待も、全部を抱きしめてくれる気がした。<br />
冷たかった風も、どこかぬくもりを帯びている。
誰にも言えなかったこと。<br />
笑ってごまかしてきたこと。<br />
自分でも気づかぬふりをしていたことが、<br />
空の深さに溶けていった。
夜明けが近づくにつれて、<br />
少しだけ泣きたくなった。<br />
それは悲しみじゃなく、<br />
今日という一日を見送る静かな祈り。
「大丈夫」って、誰かが言ってくれた気がした。<br />
それが空だったのか、自分の心だったのか、<br />
もうわからないけれど、<br />
確かに、あの時感じた。
あたたかくなった夜空の下で、<br />
僕は今日をそっと手放す。<br />
明日も、きっと、<br />
こうして空を見上げたくなるのだろう。
—— 夕日と夜明けの間で、僕は少し、強くなれた気がした。
恭介の写メ日記
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夕日に溶けて夜明けに消えて恭介