新緑がまた、そっとやってきた。<br />
風はやわらかく、しかし陽射しは強く木々の蕾がほころぶ。<br />
そんな季節が毎年やってくる。
誰もが平等に、時の流れに乗って生きている。<br />
昨日より少しだけ大人になって、<br />
気づかぬうちに、心のしわも増えていく。
若さは魔法のようにまぶしくて、<br />
かつての自分も、確かにそこにいた。<br />
でもそれは、手の平ですくえばすくうほど<br />
指の隙間からこぼれていく水のようで。
永遠なんて言葉が、ほんの少し切なく響く今日。<br />
写真の中の笑顔は変わらないけれど。
だけど、それでいいのだと思う。<br />
歳を重ねることは、失うことばかりじゃない。<br />
心が柔らかくなったり、<br />
優しさを深く感じたり、<br />
見える景色が少しずつ変わっていくこと。
夏が来るたび、私は思い出す。<br />
昨日の私も、今日の私も、愛してあげたいと。<br />
年齢はただの数字。<br />
大切なのは、どう生きるか。
この新緑の季節に、また一歩、新しい僕へ。<br />
花びらのように、静かに咲いていけたらいい。
恭介の写メ日記
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新緑の季節が来る度に恭介