タクシーの運転手にも
確実に上手い下手が存在してて
今日の運転手は急ブレーキを頻繁に繰り返す
どう考えたらこんな運転になるんだろうと思いながら窓に視線を移した
公道に規則正しく植えられた木々たちが枝と葉の間を縫って照らしている
夕焼けの始まりと夏の青さが溶け合い出す
あの夏に穿いていたロングスカート
風に靡く様が美しかった
水中にずっと潜り続けたい心境になる時がある
満面の笑顔に何度救われただろう
社交性のある人に憧れていた
ずっとずっと空を眺めていたい
まだ失望を識らないあの頃
いいも悪いも先のことはわからない
カーテンを静かに開けると眩しそうに僕に笑ってた
恭介の写メ日記
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いつかの夏恭介