ただ、風が吹いていた。
はるか大海原を眺めた。
さいはての岬から眺める夕暮れの海は、
柔らかくて細やかな金箔を敷き詰めたように、
澄んだ黄金色に光り輝いていた。
空が、穏やかに暮れてゆく。
赤っぽい紫から、青っぽい紫へ。
空は色彩にあふれていた。
水色や黄色、オレンジ色、金銀の光が
幾層もの縞をつくり、
靄のように流れ、
色はかさなりあいながらも澄みきったままで、
それぞれの色を際立てながらもお互いに調和し、
空のアルペジオのような美しい和音を響かせていた。
見たことのない不思議な生命体が、
歌を歌っているみたいだ。
はるとの写メ日記
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さいはての岬はると