重度の身体障がい者の施設でも働いています。
40歳の女性。
目が見えません。
知的障がいも持っています。
一歳以下の知能しか持っていません。
一日中、四畳半くらいの部屋で隔離されて過ごしています。
家族は面会にも来られません。
私たちは手引きして散歩に連れて行ったりもします。
その時、彼女は手をぎゅっとつないできます。
話すこともできない。
意思を伝えることができない。
それでも何か伝えたがっていることが、ぎゅっとつないでくる手から感じられます。
何のために生まれてきたのだろう。
何のために生きているのだろうって、そう思ってしまう。
それは、そのまま自分自身にも言えます。
この世に生まれ出たこと、老いてゆくこと、死ぬこと。
生まれることは、その苦しみを負うことになります。
いま、薄っすらと夜が明けてきます。
暗い空が、透明な強いブルーへと移り変わってゆきます。
すべては流れ、変わりゆくものたち。
愛も。
だから、ほんのつかの間。
私たちは手を握ったり、身体を交えたりするのでしょう。
はるとの写メ日記
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つかの間はると