学童保育で私は特に障害を持った子どもの世話をしている。
そういう子どもばかりを受け持つようにさせられている。
ほかの女性は、障害を持った子供よりも、普通の子どもの方がいいからだ。
やがて、その子供の母親が迎えに来る。
彼女は日本語がしゃべれない。
心配そうな顔をしている。
だから、つい私は言ってしまうのだ。
「お母さん、大丈夫ですよ」
私はにっこり笑う。
実際は、その子どもは暴力ばかりをふるっている。
だが、私のひと言で、母親は安心したように微笑む。
彼女だって、いろんな理由があって日本に来ている。
そして、子どもを預けて働いている。
風俗の仕事なのかもしれない。
けれど、私はそのお母さんのことが好きだ。
五月の連休。
彼女と二人、暮れてゆく空の果てを眺め続ける。
はるとの写メ日記
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母はると