上海の夜、遅い時間にホテルに戻ることになったのですが、あいにくバスの運行は終了していて、さらに台風が直撃中。
雨風が激しく、歩いて帰るのは到底無理な状況でした。仕方なく、駅周辺でタクシーを探し始めたのです。
すると、黒い車に乗ったおじさんが声をかけてきました。
少し警戒しながらも、ホテルまで行きたいことを伝えると、意外にも「6000円」と言われました。
約3キロの距離にしては高いな、と思いながらも、値段交渉を試みました。
幸いにも、おじさんは4000円まで下げてくれたものの、やっぱりまだ高い気がして、結局そのタクシーを断ることにしました。
しばらく歩いて普通のタクシーを探していると、ふとおじさんが言っていた「6000円」の話を思い出しました。
もしかしたら、あれは6000円ではなく、「30元」つまり600円だったのでは…?と気づいた瞬間、焦りが込み上げてきました。
急いでおじさんを探して戻ろうとしたのですが、すでに見つけることはできませんでした。
別のタクシーもなかなか見つからず、ついには配車アプリを使うことに決めました。
初めて使うアプリ、しかもすべて中国語で表示されているため、操作にかなり苦戦しました。
ようやく配車が完了したと思った瞬間、電話がかかってきました。
電話に出ると、どうやら運転手らしいおにいさんから中国語で延々と話しかけられ、まったく何を言っているのか分かりません。
焦りながらも、「中国語が分かりません、ごめんなさい」と言って、電話を切る羽目に…。
何度か配車を試み、ようやく車が来てくれて、無事にホテルに帰ることができました。
あの台風の夜の出来事は、今では笑い話ですが、あの時は本当に心がドキドキしていました。