【性癖】
「君の名前は?」
それ以上の事は聞かなかった。
いや、というよりは必要なかったという方が正しいだろうか。
何も知らない男女が裸で絡み合い愛し合う。
これが私の美学であり性癖でもあった。
私が知っている目の前の彼女の情報は、名前とただ私と同じ美学を持っているということだけである。
それで十分だった。
そっと彼女の小さな顎を右手で持ち上げると、その右手とは裏腹に左手は少しばかり乱暴に、彼女の後頭部を抑えて私の唇へと引き寄せた。
貪りあうような熱いキス。
知りたい事は体で知る。
彼女もまた、私の肩を強引に引き寄せる。
絡み合う舌
私の舌が彼女の唇の扉を乱暴にこじ開け奥へ進んでいく。
それを追いかけるかのように彼女の呼吸が荒くなる。
私の舌が彼女の小さな唇の奥を侵食していくのがわかる。
前へ・・・
さらに前へ・・・
時に優しく時に激しく
前・・・前・・・
やはりこの性癖は抑えられない。
これが私の性癖。
そう、これが
「前前前戯」
拓也
拓也の写メ日記
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【性癖】拓也