『秘密』 / 東野圭吾
「愛してる」って、
いったい“誰”に向けての言葉なんだろう——。
この物語を読んでると、そんな問いが静かに胸に落ちてくる。
突然の事故。
“入れ替わってしまった命”と、それでも続いていく日々。
どこかで不自然なのに、
それでも“愛”が消えないという事実。
この作品には、
ただの悲しみやサスペンスではなく、
**“人を想うということの、限界と深さ”**が静かに描かれている。
セラピストという立場にいると、
ときどき見えない「秘密」に出会う。
言葉にされない過去や、
抱えたまま前に進んでいる感情たち。
それらを無理にこじ開けるんじゃなくて、
そっと隣に座るように寄り添えたら、
きっと、誰かの心も少しはほどけるのかもしれない。
めろの写メ日記
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セラピスト本を読む#11めろ