キミの服のファスナーに手をかけたとき、
その指先が少しだけ震えてた。
恥ずかしいのか、緊張してるのか。
それとも、ぼくと同じで
この瞬間を大事にしたいだけなのかもしれない。
急がなくていい。
だって、夜はもうちゃんと
ぼくらの味方をしてくれてるから。
静かな部屋のなかで、
ファスナーを下ろす音だけが響いた。
それはまるで、
心の鍵がひとつ外れていくみたいで。
この夜が、キミのなかに
“やさしい記憶”として残りますように。
めろの写メ日記
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夜がほどける前に#3めろ