どうも!
飯塚ゆめとです!
突然ですが、
自転車競技って、皆さんご存知ですか?
最近では、
ジロ・デ・イタリアという自転車の大会が開催されてました。(呪文じゃないですよ、大会名です。笑)
ざっくり説明すると、
3週間かけて3,443.3kmを
イタリア全土を渡って走り抜ける自転車レースで、写真はそのジロ・デ・イタリアのレースの一コマになっています。
凄まじい距離ですよね。笑
(分かりやすくいうと北海道から沖縄を公道を通った距離がおおよそ3,400kmです。)
いや〜いつかは現地で観戦してみたいです。
日本だとあまり馴染みがない人の方が多いかもしれません。
でも、例えるなら
「風と喧嘩しながら、沈黙の駆け引きをするスポーツ」って言えば、少し伝わるかな?
呼吸が乱れすぎてもダメ。
脚の力に任せすぎてもダメ。
ただ無心で漕げばいいってわけじゃなくて、
風向き、傾斜、相手の呼吸、すべてを感じ取って走る“感覚の戦い”。
ちょっとしたタイミングのズレで、
何ヶ月も積み重ねてきた記録が一瞬で崩れることもざらにあります。
静かな競技なのに、心の中は常に全力疾走。
僕はそんな世界に、3年間どっぷり熱中していました。
気がつけば坊主で、朝5時から汗だくで、
肩を骨折してもペダルを踏んでいた。
そんな青春時代でした。
そして
人生で一番緊張したというか、
今でも印象に残ってるのは、高校最後、全国大会の朝です。
まだ太陽が顔を出しきっていない時間。
肌寒い風がユニフォームの隙間から入り込んで、
首元にふっと冷たさを落としていく。
遠くのアナウンススピーカーが、ぼそぼそと鳴っていて
試走のタイヤ音が、静かなグラウンドにシャーッと響いて、
そのたびに、心臓がドクンと反応してました。
いよいよ、僕の出番。
バイクを押して、スタート地点までの短い道を歩く、
そのアスファルトの微かなざらつきまで足裏に感じるくらい、
集中していたというより、もはや張りつめていました。
ハンドルを握る手のひらは汗で湿って、
グローブ越しにぬるっとした感覚が気になって、
何度も何度も握り直したり。
横には、いつもの仲間たち。
でも、目が合っても何も言わない。
会話なんて必要ありませんでした。
誰もが同じ空気を吸っていて、
その空気が、重くもあって、神聖でもあり。
スタート直前、ヘルメットを深くかぶって、
ゴーグルをパチンと音を立てて下ろす。
視界がぐっと狭くなる瞬間、
世界が“自分だけ”になる感覚に包まれたあの瞬間は今でも覚えています。
*「行ける。今まで通りやるだけ。」*
そう呟いて、深く息を吸う。
そして、
ブザーの音。
一瞬、風景がスローモーションになる。
でも足が勝手に動いて、風が耳元を裂いていき、
脳が追いつく前に、体が進んでいました。
ただただ、真っ直ぐ、今までの積み重ねた練習の通りに。
今でも時々、
あの朝の空気を思い出します。
あれほどまでに、自分の呼吸や心音に敏感になった朝は、
後にも先にも、あの日だけかもしれません。
あの緊張と、あの集中と、
あの瞬間の自分が教えてくれました。
*“本気”って、静かなものなんだと。*
今、僕は違う場所に立ってるけれど、
目の前の人と向き合うたびに、
少しだけあの日のことを思い出します。
丁寧に、正直に、まっすぐに。
そして、余計な言葉じゃなく、
“手のひらの温度”で伝えられるように。
たぶん僕は、あの頃と変わらず
今も、本気で誰かの隣に立ちたいと思っています。
飯塚ゆめと
飯塚 ゆめとの写メ日記
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No.24 人生で一番緊張した事飯塚 ゆめと