この本は天津翔さんと一緒にサウナへ行った時におすすめしてくれた本でその時の翔さんのプレゼンがうますぎてすぐ買いました笑
読み終わるまでにだいぶ経ってしまいましたが感想を書きました。
ネタバレはなしで書けるように頑張ります笑
本当にいい作品だったので気になる方は感想を読む前にすぐ本屋へ行って!買って!読んでみてください!
ではいきます。
まずタイトルである52ヘルツのクジラというのはどういうことかというと
クジラの鳴き声というのは一般的に10〜39ヘルツで鳴くと言われています。
ですが稀に52ヘルツという高い周波数で鳴くクジラがいるそうです。
そうなるとどうなるかというと
他の仲間にはその鳴き声が聞こえないのです。
仲間と意思疎通ができないのです。
要は52ヘルツのクジラはとても"孤独"な生き物だということです。
それが本作とどう繋がるかというと。
主人公たちがまさに52ヘルツのクジラたちなのです。
社会や周囲と違う存在であり誰にも自分の痛みを理解してもらえない孤独な人生を送っている。
それが本作の主人公たちです。
そんな過去のトラウマや心の傷を抱えた主人公たちが人との繋がりによって自分の声が"孤独な声"ではなく"届く声"へと変わっていく。
そのような物語となっています。
これを読んだ感想は。
非常に内省的かつ感情に訴える作品だと思いました。
登場人物たちの心の傷がリアルに描かれており彼らがそれぞれの孤独を感じながらも他者との関わりを通じて再生していく様子はとても印象的です。
特に天音と希優の関係はとても丁寧に描かれており、52ヘルツのクジラの象徴的な役割、そして優子という加害者の複雑な背景にも触れることにより孤独の痛み、そして再生というテーマをより深く掘り下げていると感じました。
心理描写がとてもリアルなんです。
天音と希優の出会いによって心情も変わっていくのですがその成長が一筋縄ではなくて葛藤に満ちた変化なのが2人の心の傷をとても深く表現していて読んでいる僕は本当に心が痛かったです。
それでも自分の過去を乗り越えて再び人生を取り戻していく様はとても美しいです。
本作は孤独がテーマになっていますがこの52ヘルツのクジラはただの孤独の象徴ではなく「それでも声を発し続ける存在」というのがとても重要な点です。
52ヘルツのクジラは決して諦めずに、たとえ誰にも届かなくても声を出し続ける。
それが天音と希優も自分の痛みや苦しみを抱えながらも生き続けてだれかと繋がろうとする姿と重なります。
孤独であっても声を出し続ける、誰かと関わり続けることの大切さが読み終わった後に強く感じました。
この作品は読む人によって感想がだいぶ変わると思います。
それにとても余韻がすごいのでぜひ読んでみてください。
とてもおすすめです。
そして僕と語りましょう。
翔さんありがとうございました。
とてもいい作品でした。
またおすすめを教えてください!
橘拓也
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橘 拓也の写メ日記
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【感想】52ヘルツのクジラたち橘 拓也