悔しかったり、悲しかったりで泣くことは、
大人になって減ったと思います。
それよりは、
嬉しかったり感動したり共感したり、
ほっとしたりで泣くことの方が多いかな。
あと僕の場合、
笑い過ぎて逆に泣く、みたいなこともよくあります。
最近流した涙は何だろう?
直近で思い出せる範囲だと、7月に映画『ルックバック』を観たときですかね。
僕が泣いた!のは映画の前半の場面。
(ネタバレがいやな人は慎重に読んでね)
漫画家志望の藤野歩はまだ小学生。
学校新聞に4コマ漫画を掲載して、みんなにちやほやされて鼻高々になっていた。
そんな折、同じ学年の不登校の生徒、京本も連載を開始し、
藤野の4コマの隣に載ったそれは驚異の画力で評判をかっさらう。
藤野は「自分より絵が上手いヤツがいる」という悔しさをガソリンにひたすら絵の練習をするも、
どれだけやっても埋まらない差に途方に暮れ、やがて自信を失う。
結局、京本が学校に来ることはなかったが、卒業証書だけは自宅に届けることに。
同じ学校新聞に漫画を掲載したよしみで藤野に白羽の矢が立つ。
「藤野…先生…!」
明らかに人と話し慣れていない京本が、玄関前で声を振り絞る。
藤野は、家まで押しかけてやっと対面した同級生が、
圧倒的画力の差を見せつけられ憎みもしたライバルが、
長きにわたって自分の“ファン”だったことを知る。
有頂天。
自分より高いところにいると思っていた相手が自分を認めていた。崇めていた。
消えかけていた自信の火はまた灯り、燃え盛る。
その、京本宅からの帰り道の描写がすごくよかったんです。
浮かれきった藤野がスキップをして帰るんですが、
「わたし、天才!!」という気持ちが全身から溢れ出ていて。
(アニメーションも音楽も素晴らしかった)
自己肯定、自己受容。
勘違いでもなんでもいい。
でも今この瞬間、わたしは最強なんだ!無敵なんだ!
ほとばしる全能感。
みんな、大人になっていく。
身の程を知って、身の程でしか動けなくなる。
そうなる前の今くらい、
ずっと勘違いしたままでいいんだよ!
そんな嬉しさにも共感にも似た気持ちが涙になって、
僕の目からダバダバと零れ落ちました。
『ルックバック』、まだ上映しているところもあるみたいです。
観てない方、藤野と京本のその後が知りたい方はぜひ、映画館へ!
ふゆきでした( ´◡‿ゝ◡`)
中原 ふゆきの写メ日記
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No.163 最近流した涙中原 ふゆき