人の顔には少なからず凹凸というものがあるが、僕の顔面に著しく現れている凹凸はまさに鼻である。
両目の中央から盛り上がった鼻筋は、鼻尖にかけて真っ直ぐと伸びていて、まるで年輪を重ねた一本の幹の如く存在感を放っている。
もしも僕がプロボクサーになったら真っ先に犠牲になるのはこの鼻だろう。あまりにも無防備すぎる。
そして申し訳程度についている目。
ついこの前までは、右目は一重で左目は二重だったのだが、左右の均衡を追い求めて右目も二重にした。大きくもなく、小さくもない。なんの変哲もない目だ。
目の上にはもちろん眉毛がある。牛丼の上に紅生姜があるように、カレーの上には福神漬けがあるように、当然、目の上には眉がある。
平仮名の「へ」のような形をしていて、気の弱い印象がある。
けれど、僕の顔を僕の顔たらしめているのは、この眉毛なのではないかとも思う。もしも眉毛がキリッとしていたら、それはもう僕の顔ではない。
仮に眉間に皺が寄ったとしても、困り眉がその皺を目尻の方へと押し流してくれる。そして優しい顔つきになる。
こうして自分の顔を語り始めてみると、僕の顔に獣の要素が少ないことに気がつく。
たとえば体毛が濃いとか、目がキリッとしているとか、口が大きくてワイルドだとか、そういう要素が無い。
僕は髭も脱毛して無くなったし、取ってつけたような目だし、口だって大きくない。むしろ上品な唇をしている。柔らかな唇は中世ヨーロッパの貴婦人を彷彿とさせる。ちょっと何言ってるか分からない。すっごい適当。でもとにかく上品で柔らかい質感の唇だってことさ。
ただ、唯一の獣の要素があるとするなら、天然パーマの髪の毛かな。今は髪も伸びてきて、ちょっと無造作な感じになってるし、襟足も伸びてるから結構獣感あるかも!
まあそんな感じです。
山田 えいとの写メ日記
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僕の顔面をまわりくどく形容してみる。山田 えいと