僕は普段雑多な種類の本を読んだり読まなかったりするのですが、今日は「小説」について少し思っていることを話そうと思います。
小説には、「読みやすい小説」と「読みづらい小説」があります。
ただこの分類は、読みやすいから「善」で、読みづらいから「悪」。という意味ではありません。そもそも読みやすさは読む主体によって変わってきますし、全ての小説を綺麗に2分類できるわけでもないです。それを前提で読んでいただけると。
ここでいう「読みやすさ」とは、文体が簡潔で短く、内容も分かりやすい、分かりやすく面白いことを指しています。
一方で「読みづらさ」とは、内容が多層構造になっていて読解しづらい、複雑で難解、たとえ文体が易しくても、理解するのが難しい、ときには共感もしづらい、でもそれが面白い!ということを指しています。
この違いを感じたのは、僕が村上春樹の長編小説を読んだ後に舞城王太郎を読んだからそう思ったのかもしれません。
村上春樹の小説は、僕からしたら非常に難解です。メタファーが散りばめられていたり、物語のベースに海外の古典文学がモチーフとして敷かれていたりします。物語の構造は多層的でAの物語とBの物語が複雑に絡み合っているような作りになっていたりもします。
これだけ読んでもよく分からないですよね笑
ただ、村上春樹の小説を読んだ人には、なんとなくわかってもらえると思います。
つまり、読みづらい小説です。良い意味で!
一方で、舞城王太郎は比較的に読みやすいです。
くだけた感じの口語体がメインで、一文も短いのでサクサク読めます。
今回読んだ短編集の内容は突飛で超現実的なものでした。それでも分かりやすくて、思わずクスッと笑ってしまったり、たまに考えさせられたりする。そんな感じです。普通に好きです。
こういった意味で読みやすい系の作家さんをまとめると、
・伊坂幸太郎さん
『死神の精度』とか『砂漠』とかは超読みやすいし面白いし笑えるし感動するしおすすめ
・星新一さん
ちょっとこれは系統違うか、ショートショートなのでそもそもサクッと読める!ドンデン返し!
・夏目漱石さん
夏目漱石に「さん付け」をすることになんか違和感を感じていますが、古典の分類の中では比較的読みやすい方だと思う!
とまあ、こんな感じです。
分かりやすいものは、受け入れやすいし、読んでいてストレスがないので、多くの人が手に取りやすいです。
でも僕としては、「よく分からないもの」をよく分からないまま受け入れる覚悟の姿勢で、あえて読みづらいものにもチャレンジするのも良いなと思っています。
いわゆる純文学と呼ばれるジャンルは、そういう読み物が多いです。ステレオタイプの面白さではない、「自分で面白さを見つけ出す文学」です。
時には、全く共感できない小説だってあります。でも、共感できない得体の知れない何かに僕たちは感動します。圧倒されます。
「読みづらい小説」には、そういう素晴らしさがあるんです!
是非、挑戦してみてくださいね!
おすすめの小説があれば、僕に教えてください!!
山田 えいとの写メ日記
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「読みやすい小説」と「読みづらい小説」山田 えいと