お昼過ぎ。さて、腹が減った。
戎橋筋(えびすばし)商店街に立ち尽くす僕の姿は、まさに井之頭五郎のそれだった。
大阪に来て一番最初に早朝のすき家の牛丼を食べてしまった僕にとって、2食目の選択はかなり重要なものだ。ここで大阪に対する敬意を示さなければならない。
そう考えれば、僕の頭に選択肢はもう一つしかなかった。
もちろん、たこ焼きだ!!!!!!
大阪が本場の郷土料理。たこ焼き。小麦粉の生地の中にタコと薬味を入れて、ソースやら鰹節やらを振りかける最高の郷土料理!!
たこ焼きを食べずして、ノコノコと東京に戻ることなんてできないよ!
そして、僕は足早に向かった。一刻も早く食べたかったので、一番近くにあった「わなか なんば店」に向かった。
お店の前には、既にちょっとした行列。その周りでは路上でたこ焼きを頬張る人々。おお!!僕もまぜて〜、と言わんばかりに列に並ぶ。
メニュー看板を見る。たこ焼き、8個で600円、12個で850円。僕は1人なので8個を選択。味付けも選べるらしい。
ソース、塩、塩?!、醤油、醤油?!?!、ピリ辛ソース、ピリ辛ソース?!?!?!
僕はソース以外の味付けを知らなかったから、こんなに味付けがあることに驚いた。でもやっぱり一発目は王道のソースでしょ!ここで、ピリ辛ソースなんぞを選ぼうものなら、大阪の皆さんに顔向けできない。別にそんなことはないか。
そして注文。
僕は店の横にある人通りの邪魔にならないペースでたこ焼きを食べた。
一口目。何をとち狂ったのか、アツアツの出来立てたこ焼きを一口で口の中に放り込んでしまった。
うん、美味しいよ、本当に美味しい。。美味しいのは分かるんだけど、熱すぎる!!!!!大後悔!!
僕一人だよ?一人で道端に突っ立ちながら、たこ焼き片手に大悶絶。
僕が悶絶するたびに、たこ焼きの上に乗っかった鰹節がふわふわと揺れる。はたから見たら、多分僕はたこ焼きが美味しすぎて謎の舞を舞っている頭のおかしな日本人に見えただろう。
やれやれ。
口の中のアチチが治ってから、今度は二つ目を丁寧に食べた。
これは本当に美味しすぎます。2個目はちゃんと味わえた。タコが大きい!そして何よりも生地も、その中もふわっふわ。柔らかすぎるんです。
もはやこれは、優しさです。たこ焼きは優しさそのものです。母親が赤子を柔らかい腕で包み込むように、生地がタコを包み込む。無償の愛です。無償の全肯定です。つまりそういうことです。
とか、意味のわからないことを言ってしまうほど美味しいんです!
大阪のたこ焼きを食べて、こんなに優しい気持ちになれるなんて。
今度は観光地にあるたこ焼きもいいですが、もう少しローカルな大阪のたこ焼きも食べてみたいものです。
山田 えいとの写メ日記
-
[大阪出張日誌 Part.2]たこ焼きを片手に踊ってる人がいたら、それは僕です。山田 えいと