50代くらいのおじさんたちがバンドを組んで、新宿で路上ライブをやっていた。
一言で言えば、最高だった。
普通、新宿なんて人通りの多いところで歌うときは、「上手に綺麗に歌いたい」という気持ちが出てしまうのは当然のこと。
でも、このおじさんたちはそんな気持ちは微塵もない。自分たちがとにかく気持ちよく演奏すること。そのことしか考えていない。
でもそれを見ていると、こちらまで気持ちよくなってくる。
ボーカルは無精髭を生やした白髪長髪のおじさんだ。細い体つきで目元は落ち窪んでいる。でも目つきが以上に鋭く、怖さを覚えるほどだった。
そんな人が、心を込めて歌う『東京砂漠』は別格だった。声量や抑揚が化け物だった。本来、東京砂漠はムード歌謡って感じなんだけど、この人たちはロックンロールって感じだった。激しかった。
街行き交う人たちは好奇の目で彼らをみるけれど、僕は彼らを熱く見つめていた。目を離せなかったんだ。
山田 えいとの写メ日記
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おっちゃんが歌う魂の『東京砂漠』山田 えいと