高校3年生の夏。僕は毎日予備校に通い、勉強漬けの毎日でした。隙間時間さえあれば単語帳を開き、暇さえあれば問題集を解きました。周囲の受験生と比べれば、僕は比較的に勉強を楽しんでいる人間だったのです。
けれどある日、苦手科目の数学を勉強していた時、訳のわからない問題にうんざりし、数学に対してブチギレしました。僕の中の何かがプチっと切れる音がしたのです。
そして僕は勉強のすべてを投げ出し、予備校を飛び出し、心の赴くままにひたすら歩き続けました。
気付けばそこは「山」でした。
途方もなく広がる緑、鳥たちの囀り、木々のざわめき。
もはやそこに活字など存在しませんでした。
英単語も、大嫌いな数学も、そこにはありません。
思うがままにひたすら歩き続けました。坂を登り、坂を下り、そしてまた坂を登る。制服には汗が滲んでいました。
「久しぶりに良い汗をかいたな。」
そんなことをふと思ったときには既に、僕の心は休まっていたのです。
僕はひとつのことに熱中すると、自分の心がSOSのサインを出すまで気付けない人間です。
だから心が限界に達したなと思った時は、一人で山に行きます。圧倒的な自然にこころ癒やされるのです。
皆さんの心の休め方はどうですか?
山田 えいとの写メ日記
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No.96 心の休め方山田 えいと