「持続化給付金」に続き「家賃支援給付金」も風俗事業者は対象外! 国の職業差別に“待った!”の声

「持続化給付金」に続き「家賃支援給付金」も風俗事業者は対象外! 国の職業差別に“待った!”の声

7月7日、多くの中小企業やフリーランスより待望されていた「家賃支援給付金」の概要が経済産業省より公表されました。

これは5月の緊急事態宣言の延長などによって売り上げ減少した事業者の事業を継続を支えるために地代・家賃の負担を軽減することを目的に、賃借人の事業者に対して給付金を与える、というもの。

給付の対象は「持続化給付金」の時とまったく同じ。資本金10億円未満の企業で法人やフリーランスも含むものの、今回もやはり風俗業界で個人事業主として業務委託された者(男性、女性向け風俗で働くキャスト)は「家賃支援給付金」の対象になっているものの、その所属店や事業者とそこに雇われた従業員は対象外になっているのです。

「持続化給付金」の風俗産業外しについて、6月にいち早く中小企業庁に異議申し立てをした「ナイト産業を守ろうの会」。緊急事態宣言により4、5月と休業し、売り上げが減ったのは一般の中小企業だけでなく風俗産業だって同じなのに、給付金対象外であるのは職業差別だと署名と共に強く訴えたのです。

今回の「家賃支援給付金」の風俗産業外しも明らかになったいま、この事態をどう受け止めているのでしょうか?

 「ナイト産業を守ろうの会」代表を務め、香椎総合事務所の行政書士、佐藤真氏に現状について伺いました。

 

――今回の「家賃支援給付金」で風俗産業が外されていたことをどう思われますか。

佐藤 やはりか、という気持ちですね。もし仮に「家賃支援給付金」の対象に風俗で働く業務委託者だけでなく事業主も含まれていたら「家賃は支援されるのに持続化給付が支援されないのは矛盾制度だ」と、現状で定められた「持続化給付金」の対象範囲を崩しやすいかとも思いました。しかし今回の支援金においても対象範囲は同じかと残念な気持ちでいっぱいです。

 

――6月に佐藤さん達が行った抗議を受けて、中小企業庁からの動きは未だ何もなしですか?

佐藤 ありません。我々の訴えに対し、風俗関連事業者を給付金の対象内とすることは前例がなく整合性が取れないということ、そして国民の理解も得にくいというお言葉をいただいてから、それ以外のことは何も言われていません。

 

――今後は引き続き抗議を行うのでしょうか?

佐藤 そうですね。たとえ変わりようがない制度であっても、大事なのは声を挙げ続けることです。この「家賃支援給付金」が風俗関連事業者も対象内とすることを訴える署名活動を行い、一定数集まったら、経済産業省に提出とともに我々の意見を申し入れに伺いますね」

 

では一方で、「持続化給付金」に続き「家賃支援」までも対象外とされたこの現状を女風ユーザーはどう見ているかというと?

女風歴3年の40代ユーザーさんは言います。

「私は家庭内のある問題を抱えていた時に、女性風俗に身も心もとても救われたのです。その存在が社会的に認知されればいいと思っています。しかし現状は、風俗店舗に業務届を義務付けしているにも関わらず、他の一般企業が当然受けられる給付金の対象に入っていない。しかもその理由が前例に倣ったとは、国が風俗産業を経済活動として認知しない、感染症対策や売春防止などの規制の対象としてしか見ていないという意志のあらわれだと思いました」

また、“今後も風俗産業は給付金対象にはならないのではないかと危惧しています”とも言います。

 「この問題は、おそらくそう簡単に解決できるものではないでしょう。おそらく相当の労力と時間がかかる上に、給付金対象になる見込みは限りなく望みが薄いとも思います。しかし性風俗を産業であると認めることは、セックスワーカーの人権を保障することだと思います。どうか持続化給付金、そして家賃支援給付金も含めて、給付対象外とされる事業者や契約の見直しや拡大を強く求めたいですね」
 

今後も女性向けを利用されたいと思うかについて問うと…?

「つい最近、あのROLANDさんでさえも所有するホストクラブの閉店を公表しましたね。それほどまでに風俗営業系は厳しいのだと思います。なので私は今後も、好みのセラピストさんをしっかりと選び、自分の体と心のすき間を埋めてもらうことに感謝して、もちろん手洗いうがいを励行しながら利用したいと思います。きちんとしたサービスができるセラピストを利用し続けること。それが今の私にできることです」

 
「実は明日も予約を入れてあります♫」というユーザーさんでした。女風ポータルサイトの立場としても、このようなお客さんがいらっしゃることは大変ありがたく、今後も優良店舗をご紹介させていただく優良サイトでありたいと襟を正す思いです。
 

最後に「持続化給付金」に続き「家賃支援給付金」の風俗外しとなった今、一部の風俗関係者間では「もう国を相手に集団訴訟をやる方向で動くべきだ!」との声も高まっています。しかしそのように争うことでなく、コロナにより一変してしまったこの世界で、前例がどんな意味をなすのでしょうか? どんな職業につく人にあっても健やかに生きやすい世の中になってほしい、そのようにみんなで工夫し勤めたい、そう願うばかりです。

■経済産業省
家賃支援給付金に関するお知らせ
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html

 

この記事を書いたライター

momo1977

河合桃子

フリーライター歴20年、主に男性週刊誌を主戦場に“女性の性”を追いかけてきました。とはいえフリーなのでファッションやグルメ、広く関わりつつすぐやる課をモットーにしております。働くシングルマザー“マン”として同じシングル女性も元気にしたーい*\(^-^)/* 今まさにキテる女性向けを盛り上げたいです

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