ナイナイ岡村隆史の風俗発言、あなたはどう捉えましたか? 風俗嬢や関係者達に聞きました

ナイナイ岡村隆史の風俗発言、あなたはどう捉えましたか? 風俗嬢や関係者達に聞きました

※写真は『岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送 公式サイトより引用)

ナインティナインの岡村隆史さんが4月23日の自身の深夜放送のラジオ内でした発言が、いまだに尾を引き炎上し続けています。


岡村さんのその発言内容とは、
新型コロナウイルスの影響で収入が減った女性が、収束後に短期的な収入を得るために風俗入りする可能性があると発言した上で「いい子が入るから、今は風俗を控えましょう」と呼び掛けたものでした。
 

この後、27日にニッポン放送が同番組の公式サイトで謝罪コメントを、そして29日には岡村が所属する吉本興業の公式サイトで吉本興業と岡村自身も謝罪、さらに30日の同番組で岡村本人が「本当に、自分の至らなさ、本当に反省しております」と謝罪し、相方の矢部浩之も番組内で公開説教をしました。 

Twitterなどでもあらゆる意見が飛び交っているなか、実際に風俗業界で働く女性やそれに関連した方達はどう感じたかについて、ご意見を伺いました。

まずは品川デリヘル『贅沢なひと時』在籍のまりさん。

「コロナで収入が減る人を待ち望むとも取れる発言はダメだけど、この発言を批判する側にも、風俗=風俗業界に落ちる、という差別を感じる気がしました。風俗業界は決して、いやいや働く人ばかりではないんですよ」



一方で、吉原の高級ソープ店で10年以上働くカリスマソープ嬢からはこんな意見も。

「岡村さんが仰っていた“可愛い子が入店して、3ヶ月でパッと辞める…”これには違和感がありました。自分は容姿端麗ではないし、胸が大きいわけでもスタイルがいいわけでもありません。それでもリピートして下さっているお客様がいるので今もなんとか生活できています。つまり、風俗ではいくら容姿端麗でもサービスが悪ければ稼げません。

ですが、もしかしたらこの発言で容姿端麗な子が“簡単に稼げるのか”と入店するかもしれません。しかし今現在、コロナの影響で客足が遠のいているにも関わらず、女の子側ばかりが増えるので、需要供給のバランスも崩れています。

それに昔に比べて黙っててもお客様がつく時代ではないし、SNSや写メ日記を小まめに行い、必死に自分を売り込まなくては稼げません。自主規制が解除されて風俗を利用するお客様は戻ってくるかもしれないですが、元通りにはならないと思います。

また、紳士的なお客様ばかりではないですし、未経験の子が入店して酷いことをされてしまう場合もあります。そういう点で、岡村さんの発言は軽視しているとは感じました。純粋にお客様と風俗嬢を応援している、といった発言だったらすごく良かったんですが…」

 

そんななか、風俗雑誌『俺の旅』シリーズの生駒明編集長からは、このように岡村さんを励ます意見も。

「風俗遊びが純粋に好きな客視点からの発言で本当に悪意はなかったのだと思いました。でもね、そんな風俗ファンなんだからこそ、岡村さんにも風俗業界にとってもタメにならないような発言はせず、足長おじさんのようにこっそり支援する、店に行ってお金を使って嬢や店を助けてくれれば良かったと思います。同じ風俗ファンなのだから、仲間だから、力を合わせてこのピンチを乗り切っていきましょう!」

 

一方で風俗店で働く女性の法律相談事業「風テラス」を展開する一般社団法人ホワイトハンズ代表の坂爪真吾氏からは「一個人の失言を執拗に叩くことに終始するのではなく、風俗嬢に対し具体的な支援を提供し、政策提言をしていくことが大事だ」と声を挙げる。

「今回の岡村さんの失言について、実際の風俗の現場ではほとんど話題にすらなっていませんし、当事者は誰も気にしていません。そんなことより、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減った事業者に給付されるはずの“持続化給付金”の対象から性風俗が外されたことの方が圧倒的に大問題です。これは明らかな職業差別であり、憲法違反でもあるので、芸能人の失言を取り上げるよりもこちらの問題を取り上げてほしいです。そのため我々は、現在“持続化給付金の不給付要件”から「性風俗関連特殊営業」事業者を外す署名キャンペーンを行なっています。ぜひ署名の検討をしていただきたいです」

 

これには人妻風俗デリヘル勤務の今賀はるさんも頷く。

「そもそも風俗は商売であってセーフティーネットではない。なので本来、この業界で働きたくない人が来るべきところではないのです。経済的に困窮した人を救うのは社会福祉の役割。けれど、昔から経済的に困窮した人が風俗で働く、働かされるという状況は事実としてあるわけで、そういう状況を社会全体が「仕方ない」として放置してしまってきたことが問題なんだと思います。

岡村さんの発言を発端にセックスワークの是非論が議論されていますが、当事者の心情を勝手な妄想で代弁する人が溢れていて正直気持ち悪い。この業界で働きたい人が安全に働くことができ、来るべきでない人が来る必要のない社会になればいいと思う」

 

では最後に、女性向け風俗業界で働く某セラピスト氏は岡村発言にどんな印象を抱いたかというと?

「女性向け風俗業界にも岡村さんと同じように“この不況で困ったイケメンが入ってこないか”という女性は山ほどいますよ (笑)。とくに、イケメン売りをして今話題の某女風店のイベントにテンション上がりまくってツイートしている女性達の勢いがなかなかな感じで…ややヒキました(笑)。

けどそれが世間の正直な反応なんだし、いくら大義名分で綺麗事を言ったところで、腹の中では欲の塊。我々はそれに流されず綺麗にお金をいただけるように振る舞うべきなのかなぁ? って思いますね」

 

今回の岡村発言がこれだけ炎上し話題になるということは「新型コロナウイルスにより職を失い自殺が増えるね」というコメントよりも人々の心をザワつかせる“風俗”というパワーワードとのなせる技なのかもしれません。

とにもかくにも、岡村さんには気持ちを切り替え初心を取り戻し、再び深夜1時からの2時間を楽しい放送にしていただきたいところですね。また、風俗従事者をリスペクトしつつ、そしてお互いに健やかに楽しく風俗利用をしていきたいものです。

この記事を書いたライター

momo1977

河合桃子

フリーライター歴20年、主に男性週刊誌を主戦場に“女性の性”を追いかけてきました。とはいえフリーなのでファッションやグルメ、広く関わりつつすぐやる課をモットーにしております。働くシングルマザー“マン”として同じシングル女性も元気にしたーい*\(^-^)/* 今まさにキテる女性向けを盛り上げたいです

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