“女風卒業”宣言と共に卒業証書がわりに自費出版!?女風短歌のキャシーさんに直撃です

2020年7月に発売され話題となった歌舞伎町のホストによる『ホスト万葉集』、今年12月には早くも第二弾が刊行されたようですが、この本に感化され、自らも“女風短歌”を詠むようになった女風ユーザーのキャシーさん(Cathy)さん。キャシーさんが『ホスト万葉集』の主催である手塚マキさんにインタビューした記事はこちら

 

実はつい最近“女風卒業”を心に決めたようなのです。それだけでなく“この決断を形にしたい”と女風を利用した日々を詠んだ“女風短歌”の集大成とも言える一冊の本を自費で製作したそうです。その本に向けた思い、女風卒業の決断に至るまでを、じっくりと伺いました。

  

女風利用の動機が複雑化した時、卒業はひとつの区切りに

 

――女風卒業を一冊の本にまとめたそうですが、どんな本なのでしょうか。

本はダブルタイトル。ひとつは『クローバーと十三番目の余分な満月』で、以前からネットの小説投稿閲覧サイトで作品を見かけてファンになっていた波多野道真(はたの みちまさ)さんに、私がずっと指名していた推しのセラピストの一部をモチーフにした登場人物や設定を取り入れた新作を書きおろしてもらったのです。

 

――それは女風のセラピストの物語なのですか?

いいえ、違います。私が入れて欲しいモチーフや設定以外は波多野さんにお任せしたのです。なので物語は、ある男女の不思議な出会いと切ない純愛になっています。そして「本を作ろう」と決意した今年11月の段階で300首ほど詠んでいた女風短歌の中から30首を厳選し、波多野さんの作品とともに本のもう一つのタイトル『女風短歌撰』として収録しました。

 

――でもなぜ、本を作ろうと思ったのですか。

ユーザーになって1年半、私にとって女風は日常生活の中でもプライオリティが高く欠かせないものになっていたし、すでに生活の中で利用するリズムができていた。それを、一生、絶対やめるのではないにしても、生活から一度切り離すには、どうしても“卒業証明”的なものが必要だった。それがこの本を作る大きな原動力となりました。

 

――“女風卒業”はSNSでもよく見かけるワードですが、キャシーさんはなぜ卒業を宣言したのですか。

やはり自ら「卒業」と宣言して区切りをつける必要があったからですね。卒業と宣言しなければ、ひとまずキッパリと終えることもできないというか、ケジメがつかないというか。

 

――日常生活でプライオリティが高いものをなぜ卒業する必要が?

来年4月から子供が大学と高校に進学するにあたり、学費もかかるので現実的に出費は抑えなければいけません。そしてなによりも、女風利用はやはり後ろめたいものだから、後ろめたいことからは卒業しなければいけないという思いがずっとあったからですね。

 

――女風利用はずっと後ろめたかったのですか?

利用すること自体に罪悪感はなかったです。でも、いつまでも続けていてはいけない、という思いはあった。それが「後ろめたさ」だったかも。私の推しのセラピストも“いつかは卒業しないといけませんよ”と言って下さっていて、そういう意味では彼は誠実なセラピストだったのだと思います。

 

――なぜ、女風はいつまでも続けてはいけないと思うのでしょう?

うーん。女風利用の動機が、「快楽のため」とか「ひとときの安らぎ」あるいは「時間潰し」だとか、単純なものであり続けるのなら、いつまでだって続けてもいいと思うんですよ。でも、客とセラピストの関係以上を願ったり求めたり、あるいはその関係そのものが苦しくなったり、利用の動機が複雑になってくると、それがかえってモヤモヤの原因になるからでしょうか。出口のなさを感じてしまうというか…。

 

――そういった全ての思いが、本にも収録されている「#353あらためて 言わせてください ありがとう わたしあなたの 客でよかった」に集約されているわけですね。

そうです。とくにコロナ禍において、私の仕事の性質上、仕事量が増えたにも関わらず、子供は休校となってイライラした状態で家にいて平常時以上に家が殺伐としました。そんな中で、推しのセラピに心身ともに支えられました。

 

――そこまで支えられたとなったら、セラピストに対して特別な思いも芽生えたでしょうね。

もちろん芽生えました。客とセラピストという関係を変えようもなく、もどかしい思いを抱えたこともあります。でも、彼は最後まで敬語を外さずに私を客として扱ってくれ、節度を持った距離感で、かつ「大切にされている」と思えるように接してくれたのです。そこが良かった。だから私が自分で、いつ終わりにするかを決めることができた。

 


女風は生活の中で欠かせない"
ゆとり"、そして"余白"だった

 

――そもそも女風利用のきっかけはなんだったのでしょうか。

様々な問題があったのですが、大きくは夫と長らく性的な関係を持てずにモヤモヤしていた上に別居となり、子供も受験の準備期間に入るなど、去年はとくに様々な生活や状況の変化から、私の精神にかかる負荷が以前よりもはるかに大きくなったことです。

 

――それは辛いですね。女風を利用するようになり、その辛い日々がどう変わりましたか?

まず生活に楽しみができた。平日は仕事も忙しく受験でイラつく子供達を相手にしなければいけない日々の中、月に2回の週末昼間の楽しみを持てるようになった。

 

――女風に何を求めていたのでしょうか?

気持ちいいことが好きなんですよ。本当は、その行為は夫としたかった。夫のことが今も好きだし一番大事だったから。でも、現実はそれが叶わない。その代替となる行為を求めていたし、やはり胸の奥底に、虚しさにも似た気持ちを持ちながら、それでも否応なしに続く日常をやり過ごすには、何か心のゆとりが欲しかったんですね。女風は私の生活の中で欠かせないゆとりや余白だったのです。回遊もデートもお泊まりも楽しかった。トラベルだけはできなかったな(笑)。

 

 

――本も完成して、今のお気持ちはいかがですか。

実はこの本は誰よりも推しのセラピに捧げたかった。先日、本人にもこの本を渡すことができてホッとしています。セラピストからは「小説は身に覚えがありすぎて面白かった。短歌は数を絞ったから精鋭揃いですね」と言っていただけて、今は「我が卒業に悔いなし」という思いですね(笑)。

 

キャシーさんが愛してやまなかった推しのセラピストさん。実は今も現役でセラピストとしてご活躍中です。やはり短歌は相手あってのもの。ここで店名や名前を明かすことはできませんが、セラピストさんからもキャシーさんの本を読んでの感想をいただきました。

 

「女風を卒業する決意をされたとのこと、私はセラピストとして、Cathy さんが女風から卒業するまで寄り添えたことを非常に嬉しく思います。

Cathy さんにとって女風は心の拠り所であったと同時に、扱いの難しいツールでもあったことでしょう。日常を大切にしながら夜の世界に触れ、その経験を短歌や座談会などで発信することで、うまくバランスを取られていたのかもしれませんね。

卒業と言いますとお別れのイメージが強いですが、女風にはエンターテインメントとしての側面もあります。卒業を決意することが出来たCathy さんであれば、女風とそういった付き合い方も出来るのではないでしょうか。今までとは違った魅力を発見できるかもしれませんよ。

最後に重ねてになりますが、新たな一歩を踏み出そうとしている女性を見送る事ができ、その一歩を踏み出す勇気を出すために私が力添え出来たのであれば、セラピストとしてこんなに喜ばしいことはありません。 いつまでも私は、あなたの心に寄り添ってあなたのこれからを応援し続けております」

 
女風ユーザーの女風卒業、それは女風利用に様々な理由があるように、卒業にも理由があるのです。キャシーさんはというと「女風卒業と宣言したものの、いつかまた戻ってくることもあるかもしれない。というか、また気軽に利用できる自分になりたいですね」とのことでした。


私たちkaikan newsでは、そんな皆さんをいつでも受け入れ、有益な情報をご提供していきたいと誓うばかりです。


この記事を書いたライター


河合桃子

フリーライター歴20年、主に男性週刊誌を主戦場に“女性の性”を追いかけてきました。とはいえフリーなのでファッションやグルメ、広く関わりつつすぐやる課をモットーにしております。働くシングルマザー“マン”として同じシングル女性も元気にしたーい*\(^-^)/* 今まさにキテる女性向けを盛り上げたいです

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