「東京萬天堂」なおきさん、No.1エモボーイは性別や快楽を超えたエモさだった…<電話インタビュー>

「東京萬天堂」なおきさん、No.1エモボーイは性別や快楽を超えたエモさだった…<電話インタビュー>

目次

1. 風俗の興味をもったきっかけ
2. 女風セラピストになった理由
3. コロナ禍の過ごし方

去年12月に「東京萬天堂」に入店して以来、人気急上昇でランキングトップ10入りを果たした、なおきさん。自粛期間中ゆえ電話取材をさせていただきましたが、口コミに「柔和で落ち着いた雰囲気」とあるように、電話口の声もとても穏やか。ゆっくりと言葉を選んでの口調が、めちゃ癒しでした。

実は「売り専(※男性向けの風俗)」も兼業していて、風俗業が本業のなおきさん。しかも風俗業界に入る前は某県で公務員だったと言うギャップがゴイスー! その華麗なる転身の経緯も含め伺いましたよ。

 

風俗の興味をもったきっかけ

――そもそもなぜ風俗のお仕事に興味を持ったのでしょうか?

なおき大学のゼミで現代思想を学ぶうちにジョルジュ・バタイユのエロティシズムに触れてからですね。「エロティシズムとは死に至るまで生を称えることである」っていう、エロはつまり人生の祝祭の時間だという解釈に興味を持ったんです。その祝祭の時間を日常的な仕事としている風俗業の皆さんって、どういう人達で、それってどんな気分なんだろう?とか…

 

――なるほど。大学生の時も風俗の仕事をしたのですか?

なおきいえ、興味津々でしたがやってません。普通に就活をしました。本屋で働きたくて大手書店系を幾つか受けましたが全部落ちて(笑)。だったらもう、転勤がない公務員だなと思い、地元の市役所に入庁しました。

 

――風俗前は公務員というのは、かなり萌えですが(笑)、そこからいきなり風俗っていうギャップがすごいなと。

なおき市役所の仕事はルーティーンが多く、その繰り返し。それに自分で裁量出来る幅が狭い。せっかく仕事のやりがいを感じるようになっても部署異動で全く違う仕事をすることになったり、ある仕事のエキスパートにはなれないところに“やっぱつまんないな”って思いが沸々と…。そのうち、まだ20代だし、ずっと気になっていた風俗の世界に足を踏み入れもいいのではないかと思うようになって。

 

――その時期が遅かれ早かれ、気になっていた風俗業界に足を踏み入れたい思いはあったんですね。

なおきそうですね。男性向け風俗の案内所か風俗店の内勤の仕事もありますが、やるならプレイヤーだなって思ったものの、そうなると「売り専」か「女性向け風俗」かってことになって。当時はまだ女性向け風俗のサイトを見ても、どこか胡散臭くてですね(笑)。

 

――どのように胡散臭かったのですか。

なおきまずサイトの作りから、この店は本当に存在するのかって疑わしさがあった。それにサイトの構成も全体的にふんわりして、ハッキリとどんなサービス内容か書かれていない、一体ナニする店なのかがわからなくて胡散臭かったんです、当時は。「だったら売り専だ」ってなったんですが、とりあえずゲイの方と出会ってみようと、出会い系アプリでゲイの方と出会ってみまして…

 

女風セラピストになった理由

――まずは自分的な研修時間を設けようと(笑)。

なおきはい。それでゲイの方と出会って、その方とお話をしたり、実際にホテルに行ってみて「あ、全然、違和感ないな」と。「これはイケるな」って思ったんです。

 

――実際にホテルに行って(笑)。それで売り専に。

なおきはい。売り専を一年くらいしてから女性向け風俗もやってみようと女風に参入しました。

 

――萬天堂に入った理由は何だったのですか?

なおき女性向け風俗店にはいろんなイメージカラーのあるお店がありますよね。それは良いことなのですが、萬天堂はかえってそれがない、変に綺麗事を言っていない感じが良いと思ったんです。できれば売り専も平行してやりたかったので、掛け持ち禁止ではないところも良かったからですね。

 

――なるほどですね。女風のキャストをやる上で大事にしているモットーなどありますか?

なおきやっぱり、それを利用する人にとっての祝祭的な時間、ハレの場になることを心がけてますね。長い人生の中でちょっとした息抜きの時間になったらいいなって、いつも思ってます。

 

――お客さんにとっての祝祭的な時間、ハレの場になるように特に心がけているのは?

なおきプレッシャーとなるような言動はしないことかな。お客さんとメールのやり取りをするにしても、俺から「会いたい」とかは言わない。「会いたいな」って言われたら「そうだね」とは言うけど。だから自分から営業メールはしないです。これはべつに、営業メールすることが悪いって言ってるんじゃないですけどね。

 

――すべてはお客さんの選択に委ね、それで来て下さったお客さんには最大限尽くすってことですかね。

なおきそうですね。もう、女風の時間はまさにお客さんが選び取った時間なんだから、その時間はお客さんが自己決定権を振りかざせる時間であってほしいっていうか。人には言いづらいことだって言ってほしいし、言えるような雰囲気を作りたい。

 

コロナ禍の過ごし方

――いまのこのコロナ禍においては、どのような営業をされているのですか?

なおき電話コースや公園で散歩だけしたいとご予約をいただくこともありますね。やはり4月からテレワークになって自宅の時間が増えたからということで「息が詰まる」っていうお言葉はよく聞きます。なので俺との時間が息抜きになったらいいなって思って、ご対応させていただいています。

 

――なおきさんご自身はこの自粛ムードの生活に不安やストレスは感じていませんか?

なおきそうだなあ。趣味でバンドをやっているんですが、スタジオが営業していないからバンド活動ができないこと、それにシーシャ屋もやってないからシーシャが吸えないこと、銭湯も休業で大きくて熱い風呂に浸かれないこと…はちょっとしたストレスですかね(笑)。

 

東京萬天堂 なおき インタビュー

 

――そのようなストレス以外に、漠然とした不安などは。

なおきもともとそういうの、感じない性格なんですよね。だから一切ないですね。幸い、読書の時間は増えたから、自粛は自粛で、その時間が楽しめているというか。

 

東京萬天堂 なおき インタビュー

 

――今後いつまで女風でキャストをやっていきたいなどの展望はあるのですか。

なおき大学生のゼミを受けてた時に興味が止まなかった風俗業界は、実際に入ってみたらやっぱり面白くて、その興味が尽きることはないんですね。良い意味でも悪い意味でもいろんな人間がむき出しになる世界。風俗は、ユートピアの一歩手前だなって思ってて。世の中にユートピアなんてないけど、その一歩手前まで行けるのが風俗だから、俺はこれからも何らかの形で関わっていきたいです。

 

――でもユートピアは人によって違いますよね。

なおきはい、違いますよね。だからこう、仮に何かを求めて女風の入口に立ち、俺を選んでくれたら、俺はその人が求めるものを知りたい、と言うだけですね。よければ貴女のその理想を聞かせてほしいな、っていう。その話がしやすいように俺はするからって。まあ、風俗は人によってはディストピアかもしれないけど、それもまた面白い。

 

電話口でも十分に、なおきさんならではの人柄を感じ…それはとても中性的な感じもして…なのに男っぽさもしっかり感じちゃう感じの…いつまでもだらだらーっと喋っていたくなるような…、その感想を一言で言うならば“エモい”!

風俗は自己決定権のもと、まさにお気に召すまま僕を利用してって感じのご対応が、いつでも受け止めてくれちゃうような自己肯定感にまで包まれちゃう感じなんですよね〜。なおきさんとの時間は、貴女にとって、貴女だけの、とってもエモーショナルな時間になることでしょう。

この記事を書いたライター

momo1977

河合桃子

フリーライター歴20年、主に男性週刊誌を主戦場に“女性の性”を追いかけてきました。とはいえフリーなのでファッションやグルメ、広く関わりつつすぐやる課をモットーにしております。働くシングルマザー“マン”として同じシングル女性も元気にしたーい*\(^-^)/* 今まさにキテる女性向けを盛り上げたいです

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