「人間は考える葦である。」
— ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal, 1623–1662)
■ 出典と背景
この言葉は、パスカルの遺稿をまとめた哲学的著作『パンセ(Pensées)』に収められています。
『パンセ』は、彼がキリスト教の信仰を知性と理性で捉えようと試みた断章集で、死後に弟子たちが編集して刊行したものです。
■ 解釈と意味
この名言には2つの対比が含まれています:
葦(あし/よし)=自然界で最も弱い存在の象徴<br />
→ 風に吹かれて簡単に折れてしまうような、か細い存在。パスカルは人間の肉体的な弱さ・儚さを「葦」に重ねました。
考える力=人間の本質<br />
→ しかし、人間には「考える(penser)」という能力がある。これは自然界のどんな力よりも尊く、宇宙の無限性に対しても意味を持つ。
つまり、
人間は物質的には取るに足らない存在だが、精神的・知的には偉大である。
という、人間存在の謙虚さと尊厳の両立が語られています。
■ 現代への示唆
この言葉は、現代人にとっても非常に示唆に富んでいます:
テクノロジーが進歩し、宇宙の構造まで明らかになる中で、「自分はちっぽけな存在だ」と感じることがあります。
しかし、その宇宙を「認識し、問い、考えることができる」私たちは、まさにその宇宙に意味を与える存在なのです。
パスカルは、神の存在を信じる者として、理性の限界と信仰の可能性を探りました。その姿勢は、科学と宗教、感情と論理のはざまで生きる現代人に重なります。
■ 補足の名言(同じ文脈から)
「宇宙は私を押しつぶすかもしれない。しかし私は、宇宙が自分を押しつぶしていることを知っている。」
— 同じく『パンセ』より
この補足も、上の名言と同様に、「人間の意識こそが人間を偉大にする」という思想を際立たせています。
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