ピッタリとくっついて、離れることなく一緒にいたはずだったんです。
でも、乗り換えの駅で電車から降りた時に、ふと、違和感を感じたんです。
え?まさか、そんなはず…
そう思った時には、降りた電車のドアは閉まってしまっていて、電車はホームからどんどん離れて行ってしまいました。
どうして僕から離れてしまったのか。
僕の何がいけなかったのか。
僕が置いていかれたのか。
それとも、僕が置いていってしまったのか。
後を追いかけたほうがいいのか。
それとも、連絡を待ったほうがいいのか。
モヤモヤした気持ちで過ごす時間は
とても、とても長く感じられました。
「終点の駅で待っています」
その連絡を受けた僕は、タイミングよくホームに到着した、終点に向かう電車に駆け込みました。
絶対にもう二度と離さない、離れない。
これからはずっとずっと見失わないように。
やがて電車は終点に辿り着き、電車から降りた僕は、連絡のあった場所まで駆け出しました。
息を整え、はやる気持ちを落ち着かせ、
その場所で待っていた相手に、僕は声をかけました。
「すみません、電車の中に置き忘れた財布が、この駅で保管されてるって聞いたのですが…」
燈夜の写メ日記
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あんなに一緒だったのに燈夜