あなたの匂いが、まだ記憶に残ってる。
それだけで、ちょっと心がざわつく。
近づいたとき、ふわっと香ったシャンプーのにおい。
あれだけで、理性ってこんなにぐらつくんだって思った。
あなたの髪が少しだけ僕の指に触れて
ずっとその感触を反芻してる。
なにかを始めたわけじゃないのに、
なにもしてないことが、逆に苦しくなる夜。
たぶん、触れてない時間が
いちばんえっちで、いちばん危険なんだと思う。
あの距離がすごく好きで、
だけど、我慢するには近すぎて。
「帰る?」って聞かれたとき、
本当は「やだ」って言いたかったけど、
言ったら何かが壊れそうで、笑ってごまかした。
あなたも、たぶんわかってた。
あの視線、ずるいくらい静かで深かった。
今日の夜、思い出すだけで
ちょっと熱くなる。
毎日あなたのことを
どんな顔して思い出せばいいんだろう。
なぎの写メ日記
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40日とあと半年なぎ