朝。
目が覚めたとき、僕の中の「犬」がすっかり目を覚ましていた。
布団から飛び出して、まるで「さあ今日という日がやってきたぞ~」としっぽを振る気分。
なんでもない時間なのにやたら元気で、「ちょっと部屋でも片づけようかな」と動き出す。
掃除をしているときも、「えらいな、僕!」と自分をほめる笑
犬の僕はとにかく誰かに喜んでもらいたい性格だ。
代わりに自分自身にたくさん拍手を送る。
「やればできるじゃん」「今日もよくやってるよ」。
そんなふうに自分に優しく、前向きな気持ちで過ぎていった。
昼過ぎ。
ふと風向きが変わる。
さっきまでの「わーい!」という犬っぽいテンションが、自然と静かにしぼんでいく。
今度は「猫」の時間だ。
テレビを止めて、部屋の電気も少し落とす。
猫の僕は、何か結果を急ぎ成し遂げるより
「今ここにいる心地よさ」を大切にする。
iPhoneを裏向きにしソファに座って、本を開き、言葉のひとつひとつを味わうように読んでいく。
誰かを拒絶するわけじゃないけれど、今はこの静かな世界に集中したい。
まるで日なたで丸くなっている猫が、そっとまばたきして「いまはここがちょうどいい」と伝えるような、そんな気分。
午後はそんなふうに過ぎていった。
猫の僕は気まぐれで、自分のペースを守りたいけれど、決して冷たいわけではない。
むしろ「ちゃんと自分を大事にしている時間」と言えるのかもしれない。
夕方になると、またほんのり犬の気配が戻ってきた。
「今日、けっこういい1日だったな」なんて思いながら、お気に入りの飲み物をいれて
「明日も楽しく過ごそうね」とまた心のなかでしっぽを振る。
犬のような元気と優しさ。
猫のような静けさと自分らしさ。
どちらも僕のなかにいて、交互に顔を出す。
そんな自分も、悪くない。
今日もそんなふうに、犬と猫の間をふらふらと渡り歩いた1日だった。
きっと明日もまた違う割合で混ざるのだろう。
それもまた僕の魅力……ということにしておこう。
早く実家に帰って構ってあげたい~??
なぎの写メ日記
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犬と猫となぎ。なぎ